がんと向き合う

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篠田久美子さん
篠田久美子さん
(しのだ・くみこ)
東京在住。2006年6月乳がんと診断され,乳房温存手術、抗がん剤、放射線、ホルモン剤治療を受ける。現在は、ホルモン剤を服用中。趣味のテニスも再開し、普通の日常生活を送っている。
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1しこりに気づいて受診

「お風呂に入ってシャワーを浴びているときに、何気なくここ(右の胸)に手が触れたんですね。いつもだったらしないような動作だったのですが、ギュッと押したら、なにか手のひらに固いものを感じて、『アレッ?』と思いました。それで反対側を触ってみたのですが、別にないので、『あ・・(右側に)しこりがある』とそのとき初めて気づきました。それでびっくりしてしまい、しこり=がんという気持ちがあったので、血の気が引くような感じでした。別に痛みはなかったです。

お風呂に入ったのが11時過ぎで夜中近くだったのですが、盛岡にいる主人に電話して、『なにか、しこりがある、しこりがある』と大騒ぎしたら、主人が『俺に言われても仕様がないから、とにかく病院へすぐに行きなさい』と言われて、次の日に病院に行きました。とにかくハッキリしなきゃいけないと思ったのと、また何日かおくと行きたくなくなってしまう気がしたので、次の日すぐに受診したのです。

どこの病院に行けばいいかわからなかったのですが、乳腺外科でないとダメだとだけは思っていたので、友だちがやはりしこりを見つけたことを思い出して(彼女は良性だったのですが)、その彼女にすぐ電話して聞きました。それでその病院が家から割と近いので、全然知らない所へ行くよりは友だちが行っていた所のほうがいいと思い、とりあえずそこへ行きました。

もうがんであってほしくないという気持ちと、あぁ・・でもがんなのかもしれないという気持ちが入り乱れていて、ほとんど頭の中が真っ白だったような、ふわふわしたような、地に足が着かないような気持ちで(検査の結果が出るまでの)1週間を過ごしたように思います。」