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+ ストーマと向き合う
林 敏孝さん
林 敏孝さん
(はやし・としたか)
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1948年熊本生まれ。2002年血尿があり病院を受診、右腎臓と尿管の間に腫瘍がみつかり、手術で摘出。2005年3月福岡西方沖地震以後、仕事で過労が続き、翌月突然起き上がれなくなり病院へ搬送。膀胱内腫瘍を切除、ストーマ(人工膀胱)を造設。その後、腸ヘルニアで入退院を繰り返すも、現在は病院のボランティアとして患者の相談相手、看護師のストーマケア指導に奔走する。
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2毎月複数科を受診

「とにかく私は今いろんな病気がありますから。毎月病院には必ず3〜4回は行って、検査もそこそこしています。いちばんに泌尿器科(+ストーマ外来)ですね。次に腎臓内科、外科、目が悪いので眼科、整形外科、あとは歯科と耳鼻科です。

それから薬も、いつも飲む薬と非常用の薬をもらっています。特に痛みが強くなって、もうどうしようもないときに飲む薬、それでも効かなかったら救急車で病院に行くしかないというときの薬までもらっています。自分で全部管理しています。昼が10種類ぐらい、夜が12種類ぐらい、寝る前が4種類です。

ひとつは、『飲まなければだめだ』と思っているわけでしょ。血圧を下げるための薬も最初は1種類かと思っていたら、そうではないのですね。血圧降下剤も心臓の血流をよくするためのもの、腎臓を保護するためのもの、肝臓の流れをよくするためのもの、体全体の毛細血管まで行くもの、脳の血流をよくするためのもの、とそれぞれ目的があるのです。だから血圧を下げるための薬も結構あるのですね。」

―薬の効能をひとつひとつ把握されていますね。

「ひとつひとつサイトで調べています。病院や処方箋の薬局の薬剤師たち、それでわからないときは図書館に行って、自分が飲んでいる薬はどんなものかを調べます。薬の飲み合わせについては、病院のほうで私の薬が全部わかるので、先生たちはそれを見て飲み合わせが悪くならないようにちゃんと出してくれていて、安心しています。

だから先生を信用しているのと、私が勉強しているのとで、先生には『こういう薬があるんじゃないですか?それはどうなんですか?』と相談します。すると先生が、『あれはこうこうこうだからやめたほうがいいよ』とか、『そのほうがいいかもしれないね』ということで、いつもそういう相談を先生としています。」

●突然やってくる痛み

「(腸ヘルニアによる腹部の痛みが)いつ起こるかわかりません。こんなふうにしていても、突然ぐーんとやって来るのです。『あ、来たー』と思うときに飲む3段階の痛み止めを持っています。『来た!』と思うときに1番目を飲み、治まるときは20分ぐらいで治まってしまいます。これで効かなかったら次のを飲みます。これがだいたい1時間ぐらい待つと効き始めます。これで治まらないときに最終的な薬を飲みます。これで完全に痛みは止まりますが、それは腸や内臓の動きをストップさせるので、今度は痛みがとれてもとの体になったときに、内臓が動かないのです。

先生に言うと、『じゃ病院に来なさい』と言われて、点滴を打ったらもとに戻りました。その後はもう要領がわかったので、『あ、やっちゃった』と思ったら病院に行って、点滴を受けてきます。

それが普通の体だったら、(痛みのもととなっている部分を)開けて手術できるのですが、私の場合は何回もヘルニア手術をしてメッシュ(ストーマから腸が出てこないようにストーマを補強するためのシート状のもの)を入れているので、結局それに脂肪分やいろんな肉が巻きついていて、それを取るのがたいへんなのです。痛むところの手術をするより、そのメッシュ取るための手術をするほうが長いので、先生たちはあまり手術をしたくないらしいのですよ。あとは『生きるか死ぬかのときだけおいで』と言われました。そのときは『手術をしよう』という感じです。」