統合失調症と向き合う

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たっちさん
たっちさん
(たっち)
1963年(昭和38年)生まれ、48歳(収録時)。幻聴が聞こえるなどの症状により、32歳の時に職場の上司の勧めで精神科を受診。入院体験はなし。就労を望むも長期雇用に結びつかなかったが、就労継続支援事業所のサポートを受け、現在は、週5日1日4時間店舗に勤務し、商品出しや接客などに従事している。
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2精神科受診の経緯
Q.受診前にどのような症状が出たのでしょうか

「32歳で発病する前にも、同じように幻聴が聞こえることがありました。一番はじめに幻聴を聞いたのは、最初の会社に勤めていた時で、その会社を辞めようとした時に、上司からいじめを受けているような幻聴を聞いておりました。(その時は)コンピュータのプログラマーをしておりました。

その(会社を辞めた)あとも、時々、聞こえるような時もありました。お店の中に青果売り場がありまして、そちらで働いておりました。接客のほうをやっておりまして、接客の時にお客さんから声を聞いているような幻聴を聞いた覚えがあります。」

Q.幻聴をどう捉えていましたか

「やはりその人から想念を送られているというふうに思っていました。

やはり人に対して攻撃的になりますね。自分の思いのほうが、喧嘩をするような感じになります。上司からは、そういう攻撃を受けた(ような)…。最初の時は、もう恐怖というのですか、『どうして聞こえるんだろう』とか、そういう感じでした。」

Q.精神科を受診したきっかけは?

「そのあと事務の仕事に移りまして、その時に軽いうつ状態になりまして、精神科を受診するように、上司から勧められました。

親戚の方が精神科の病院に勤めておりまして、その関係で先生を紹介していただきました。」

Q.精神科を受診した時の気持ちを教えてください

「やっぱり不安でした。自分の病気がどのようなものかというのを自分では分からないので、そういう点で不安でした。嫌でしたけれども、上司の勧めもありましたし、両親からも行くようにと言われましたので、まあ、不安ではありましたが受診いたしました。

先生の説明では、その時(のこと)はあまり詳しく覚えていないのですが、やはり軽いうつだというふうに診断されました。」

Q.どのような治療を受けましたか

「投薬による治療でした。リスパダールという薬をいただきました。

量がだんだん増えてきたんですが、効いたなと思う時もあれば、元に戻ってぶり返して(幻聴が)聞こえてくる時もありましたので、本音(で言えば)、治るということはありませんでした。2週間にいっぺん通院しておりました。」

リスパダール(リスペリドン):非定型抗精神病薬

Q.病名を統合失調症と言われたのはいつ頃ですか

「統合失調症という病名で言われています。病名を言われたのは、今の先生の時ですね。それ以外の時は“軽うつ”というふうに言われていました。

それほど病気の実感がなかったのですが、統合失調症がどういうものかというのが詳しく分からなかったということなのですが、幻聴が聞こえるのはそうなのかなと、自分では漠然とそう思いました。」

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