統合失調症と向き合う

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小沢亜季さん
小沢亜季さん
(おざわ あき)
1976年(昭和51年)生まれ、36歳(収録時)。20代前半に眠れない、食べられないなどの症状が出たことで心療内科を受診するが、症状が悪化し、3年後に精神科を受診。発症前には夫が自死するという体験がある。現在は再婚し、収録直前、障害をオープンにして一般企業で1日4時間週5日の仕事に就いた。
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9就労について
Q.就労していたことはありますか

「病気を発症後、正社員で働いていた会社を退職しまして、2年ぐらい自宅で療養していたのですが、結婚を機に住居を変えて、1年半ほどは、やっぱり、家から出ることができなくて家の中で過ごしていたのですが、近くに、自分がもともとパン職人をやっていたので、その経験を生かせる仕事があるということで、一般の健常者と同じように働いていたのです。

けれど、そこが店を閉めるということで出された時に、健常者の中で一緒に働いていくには、やっぱりどうしても不都合な面とか、自分が仕事において病気のことが話せないという面で、かなりのストレスになることがあったので、これからは、なるべく自分の病気のことも知っていただいた上で働ける所ということで、障害者の施設を探して、就労支援のA型(事業所)で働いていました。

職安に通い出して2か月ぐらいの時に、それまでずっと障害者の枠で仕事を探していたのですが、やっぱりなかなか精神障害者を受け入れてくれる一般の企業が見つからないということで、私の場合は、やむを得ずというところもあったのですが、職安のほうで、『現段階で障害者としてのキャリアがない分、一般企業への採用が難しいので、A型の作業所のほうで経験を積んで、それから一般企業に移行したらどうだ』という話をいただいて、それでA型のほうへ勤めることにしました。

主に、車の部品の製造です。いろんな部署があるので、そこを転々として、その作業所に通うということで、朝起きてから出社するまでとか、基本の体調の管理に気をつけて、2年半ほど働いていたのですが、私自身、そこにずっといるつもりではなかったものですから、定期的に職安のほうに通っていたんですけど、今回たまたま自分がやってみたいと思う職種がちょうど出てきたので、ほんとにダメ元でという形だったのですが、面接させていただきました。」

Q.作業所で面接の練習をしたことはあるのですか

「特にないです。A型の作業所では、ただ日々作業してくるだけなので。次のステップに関わることも、お話して相談できる施設であってほしかったのですが、残念ながら自分が行っていた所がそういう施設ではなかったので、仕事を自分で見つけて、自分で面接も受けて、履歴書なども全部一人で揃えました。」

Q.新しい仕事に就いていかがですか

「そうですね。やっぱり気持ちとしてはすごく新鮮です。だけど、今まで自分が障害者になってから働いた中では、いちばん不安も大きかったですし、むしろ緊張もしています。行った先で、言われていることは分かるのだけれど、それに頭と体がなかなかついていかないという自分に、やっぱりもどかしさを覚えたりもしています。」

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