3患者さんへのメッセージ
●心のくせを直す努力を
「病気の性質をご自分でぜひ見極めていただきたいということですね。同時に医師のアドバイス、他の看護師さんとかあるいは精神保健福祉士とかいろんな職種の人が治療に関わりますので、その方たちから有意義なアドバイスを得て、どういうふうにしたらこの病気を克服できるのかということを、患者さんご本人に深くわかっていただきたい。おそらく非常に辛いことだと思いますけれども、例えば幻覚とか妄想とか、そういったものは病気のなせる技なんだということをしっかり把握していただいて、それに立ち向かうという気持ちを常に、繰り返し、自分を奮い立たせていただきたい。妄想という症状はどうしても辛い現実からそうでない、そういうふうに理解したほうが楽な面もあるんですが、そういう性質のものなんだということをしっかりみて、『ああ、自分は今、そういうふうに考えが傾むこうとしているな』と繰り返し自覚しながら、心のくせにならないようにしていくよう常に努力しようと思っていただくと、私共は非常に専門家としての援助がしやすい。」
●周囲の人のことを考えてみる
「それから、自分が周囲の人からどんなふうに見えているかということを、時々、自分がこういった考えで行動していることが周囲の人にとって理解をしにくいという行動や表現になっていないかということも気を遣いながら、これもたいへんなことですけども心がけていくと、周囲の人の自分たちへの偏見とか誤解といったことも減らすことができますし、周囲の方の理解も獲得することができます。そういうことにも心がけていただけると非常にこの病気を克服する上での力になるかなと思っています。」