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糸川昌成さん
糸川昌成さん
(いとかわ まさなり)
東京都医学総合研究所 精神行動医学研究分野「統合失調症・うつ病プロジェクト」プロジェクトリーダー
精神科医・分子生物学者。東京都医学総合研究所の精神行動医学研究分野「統合失調症・うつ病プロジェクト」プロジェクトリーダーとして勤務している。1961年(昭和36年)生まれ。母親が病気体験者。分子生物学者として研究に従事しており、週に1度精神科病院で診療を行っている。妻、息子2人、娘1人の5人暮らし。
糸川さんの研究については、著書「臨床家がなぜ研究をするのか—精神科医が研究の足跡を振り返るとき—」(星和書店) 「統合失調症が秘密の扉をあけるまで—新しい治療法の発見は、一臨床家の研究から生まれた」(星和書店)を読みください。
家族としてのインタビューはこちらでご覧いただけます。
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2遺伝子研究で分かっていること
Q.現在、統合失調症の遺伝子研究で分かっていることをお教えください

「もちろん遺伝子がたくさん見つかってきましたし、複雑遺伝モデルと言って、そういうものをたった1つ持っていたからといって発症するわけではないのだけれど、それが複数組み合わさって、さらにそこに環境負荷があって発症するのではないかというモデルが、今は信頼されています。

特にメタ解析と言って、10報、20報の論文の結果を足し合わせて、『どうやら確からしい』という結果を出す研究が流行っていますので、いくつかの候補遺伝子については、効果は弱いけれど確実に統合失調症に寄与しているのではないかというようなことは分かってきています。

それから、あとは画像装置ですね。画像解析装置がかなり発達してきたので、脳の一部に形態的な変化が起きているらしいということは、分かってきていますね。」

Q.まだ「……らしい」という状況なのでしょうか

「それはですね。要するに健常者を何十人、統合失調症患者を何十人集めてくると、統計学的な有意差を持って、この部分がこういうふうに小さくなっているということが言えるので、お一人お一人、この人は小さいから統合失調症ですか、とか、この人は大きいから健常者ですか、とか、そういうクリアなことまでは言えないのですね。『そういう傾向がある』ということを言えるだけです。」

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