がんと向き合う

大腸がん 小腸がん 肺がん 膵臓がん 乳がん 子宮頸がん 卵巣がん 緩和ケア +plus イベント おしらせ

VOICE 大腸がん

体験者
医療者の声
支援者の声
大腸がんの基礎知識
イベント
おしらせ
溝口隆馬さん
(みぞぐち・りゅうま)
chart
1954年生まれ、福岡市在住。JR勤務。妻と息子3人の5人家族。44歳のとき数ヵ月間血便が続き、近所の肛門科を受診。すぐに総合病院を紹介されてそこで直腸がんと診断される。直腸切断手術を受けて人工肛門を造設。ステージ(病期)は2。術後は6年間、抗がん剤を服用。現在は定期的に検査を受けている。趣味はシャンソンを聴くこと。
movieImage
7患者会で多くのヒントを得る

「今、日赤病院のほうで患者会(コスモス会)のお世話をしているのですが、病気をしてから、元気なときには絶対に出会えなかった人たちと出会って、今の私にとってはものすごくプラスになっているように思います。医療メーカーの人もそうですが、いろんな人に助言を頂いて、いい話を聞かせてもらってというのは、病気をしたお陰かなと思っています。

患者会で同じ病気の方と会って『私はこんなやり方をしていますよ』と聞きますが、やはり同じ仲間でないとそういうことは多分話してもらえないのではないかと思うのです。

インターネットでも患者会でもなんでもいいのですが、やはりいろんな情報を知るだけでも、自分がストーマで暮らしていくうえでは絶対にプラスになると思います。年輩の方でなかなかインターネット(での情報収集)が難しいのであれば、年に数回でしょうが、患者会に顔を出せば、何かヒントが隠されているような気がします。それは結構重要で、大切なヒントを教えてくれる方もいらっしゃいます。お腹が出っ張ってきた時にストーマ周りに巻くものとして、普通だとヘルニア用の医療用ベルトが売っているのですが、市販のさらしをちょっと工夫すればそれで十分対応できるようなものが周りにはいっぱいあるような気がするのです。

中には患者会の中で『こういうのを作っている』とその現物を見せてくれる人がいるので、話を聞くより、この目で見るのがいちばん手っ取り早いというか。その点では患者会というのもまんざらではなく、出て十分に活用できる場所かなという気はしています。」

●高齢者では手助けが必要

「今うちの患者会でいちばん話題になっているのは、自分が年をとって装具の交換ができなくなったときに、はたしてどうなるのかということで、心配をされている方がかなりいらっしゃいます。われわれはまだ手も自由に動きますが、高齢になると視力が落ちたりして、これから先やはり切実な問題になってくると考えていますけれども。でもどこかで家族の助けを借りてでも装具だけは交換しないと・・・。

やはりチャンスがあれば、介護する人や周りにいる人も1回は交換の手助けをしていれば、いざ本人が困ったときに何か手助けができるかなと思います。実際にやってみないと、耳で聞いて目で知識として知っていてもやはり身体が覚えていないと。自分でも慣れてしまうと結構いい加減に手を抜くところは抜くのですが、サポートしてくれる方もやはりある程度は身体で覚えるのがいちばん必要になってくるという気はしています。

あと今、福祉施設でケアの方に装具の交換を頼んでも、医療行為とみなされるため装具の交換をしてくれない施設が中にはあるといいます。その辺は大目に見て(装具の交換を手伝って)くれてもいいのかなという気はしているのですが。厳密に言えば、装具の交換はまだ医療行為としてみなされていると聞いています。」