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「会社の健康診断を受けたときに、結果が1週間後に出て『すぐに消化器関係の総合病院へ行きなさい』という指示が出ました。家の近くの緊急病院へ診てもらいに行ったのがいちばん最初です。 確かに下血があったような感じもあり、だいたい酒飲みだったので『痔が悪くなったかな？』という気がしていたことは確かです。

診てくれた医者が『下血している』と言うので、『痔が悪いんじゃないですか』と聞くと、『いや痔じゃないよ、竹内さん。もうがんだよ、あんたは』と言われて、なにかものすごくむっとした覚えがあります。あれからもう20年経ちますけど、その頃は本人に直接がんを知らせることがあまりない時期でしたし、がん自身がちょっとやばいという状況でしたから、『なんだ、医者の割には』と思いました。

翌日、院長が『もう一度診るから来なさい』と言うので行きました。何回も触診で診てもらい、『がんだというのはわかる』と言われ、即入院するという状況でした。」

「それまでの1年間ぐらい、（仕事が）ものすごくハードで寝ていられない状況で、朝目が覚めたときに飛び起きるような状況が半年ぐらい続いていました。やはりそのストレスがだいぶあったのかなと思います。（食事は）とにかく昔から、朝から米を食べていました。食事自身はあまり気にしていなかったです。ただ夜はほとんど酒を飲むから、何かを食べるということはあまりなかったですね。

だいたい、われわれオストメイトというのはそれまではものすごく元気な人が多いのです。元気だけど生身ですから、最後に出てくるのが大腸、直腸のがんなのかなという気がします。」

「2ヵ月ぐらいは入院しなければいけないということでした。大阪が本社で私は東京の責任者だったのですが、2ヵ月も休むと業務に支障をきたすので、本部と連絡をとりました。『がんなんだ』と。それで『2ヵ月ぐらい休まなきゃいかん』と連絡しました。気は落ち込んでいるけれど、片方では『会社はどうなるか』ということもありました。

もちろん社長からも、『命が関わることだから、とにかく仕事ではなく、御身大切に。身体だけは先だ』ということで、私は入院しました。（私が不在の間は）とにかく全部対応しないと業務が滞ってしまうので、本社から（代わりの）人が来ました。」