統合失調症と向き合う

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NPO法人事務局長さん
NPO法人事務局長さん
(ニックネーム)
52歳。19歳(大学1年生)のときに入院。統合失調症と向き合いながら、現在、NPO法人全国精神障害者ネットワーク協議会(通称、ゼンセイネット)事務局長として活動している。会では精神医療ユーザー・アンケートを実施し、その結果を書籍にまとめている。今年も『ユーザー1000人の声と現状シリーズ 2009年度版 誰でもできる精神病の予防とその対策 らくらく統計読本パート2』が6月に発行された。現在、妻、子ども2人の4人暮らし。
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8症状を悪化させない工夫
●信頼できる人間関係をつくる

「睡眠をちゃんととること。適度にストレス発散してみんなとそうねえ、週に1回くらいはお酒飲むこと。ま、いいじゃない、週1回ぐらい。気の許せる仲間と、友達と酒を飲むこととか、大酒じゃないですけど。それから病状悪化しないこと。信頼できる人間をつくること。信頼っていうのは、お互いに約束をちゃんと守れること。うちのメンバーは、一緒にやっている病者仲間は、みんな約束を守る。それが、病状を悪化させないこと。『実は俺今病気でさ』とか『昨日これだったからね』って言い訳ばっかりする人非常に多いんだけれど、うちの一緒にやっている人たちは、そういう言い訳をせず、必ずしてくれます。それは病状悪化してないですね、安定しているんですね。そういうのもお互いにしあっている、それが1つ病状悪化させないこと。

それと、ま、ちゃんと薬は飲んでいますね。もちろんですね。たまにやっぱ飲み忘れますね。飲み忘れて、睡眠薬忘れて寝てしまったら中途半端にしか寝れなくて、その日はその日でいいや、みたいな、そんなんで飲んでいます。で、一番、おそらく僕があまり病状が悪化をしないっていうのは「病気なんだからこの症状が必ず出るんだ」と思わないことです。統合失調症はこれとこれとこれとこの病気、こういう、こうですって、いろんな本だとか、いろんな先生が話をしていますけど、そういう人もいるんだ、と、僕は僕だというふうに思っているから、あまり病状は出にくいです。」

●弱いところを見せる

「相談しますよ。いや、昔、スーパーマンのように思われてすごく辛くなってしまったんですよ。それからそういう風に人に見えてしまう仲間づくりしてしまったりすると、自分の首がしまるからちゃんと自分で泣き言を言います、僕はちゃんと。弱いところも見せるし。そうしないと生きていけないですよ、むしろ。相談もするし、弱いところ見せないと駄目ですよね、自然に別に僕は弱いところを見せないようにしているわけじゃないから、弱いところを見せて、そのままでいたほうが人間らしいと思うしね。」


アドバイス

適度なストレス発散はとても良いことですが、抗精神病薬とアルコールは相互に中枢神経抑制作用(集中力など頭の働きが悪くなる、眠気やふらつきが生じるなど)を増強することがあるため、同時に使用することはお勧めできません。お酒を飲まれるときは、このことに十分ご注意ください。
(都立松沢病院精神科 針間博彦)
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