統合失調症と向き合う

体験者の声 医療者・支援者の声 家族の声 私たちの活動紹介 イベント おしらせ
山根耕平さん
山根耕平さん
1971年生まれの44歳(収録時)。2001年に話すことができなくなり、心療内科を受診。その後、症状が悪化し、知り合いの伝手で北海道浦河町の「べてるの家」に行く。精神科を受診し、統合失調症と診断される。症状が安定したのは4年ほど前からで、現在は「べてるの家」の当事者スタッフとして活躍している。精神保健福祉士の資格を有する。
movieImage
<< 1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  12  13  >>
4会社を退職する
Q.それまで勤めていた会社はどうされましたか

「2001年の11月に(べてるの家に)来て、退職の手続きをしたのは2004年の8月だったと思います。約3年間休職期間を使って、それで退職しました。

それに至るまでは、べてるでいろいろ経験を積みまして……。最初べてるに来た時は、『会社に死力を尽くして、どんな手段を使っても会社の利益のために頑張ること』と(会社から)言われていたので、べてるの人もそうやっているのだろうと思って、隣の部屋の早坂潔さんに、『べてるのためにどんな手段を尽くしても、死力を尽くして、人生をかけて命がけで頑張りましょうね』と言って回っていたのですけど、早坂潔さんとかが『えー?』と、僕に向かって怒るとかではなくて、もう悲しそうな目をして、『お前話には聞いていたけどほんとに重い病気だなぁ、休んでいけ』という感じで。『お前はそのままで100点満点なんだ。仕事する・しないではなくて、山根耕平というそこにいるだけで100点満点だから、いいから休めぇ』と。で、自分を大切にしろと言われ続けて、3年経って……。

で、会社を辞める時には、ああ、僕はたいへんな状態にあったなと。今なら会社を辞めて、べてるで、人間らしいというか、人間を大切にする方向で生きていきたいなと思うようになっていたので、辞める時はすんなり心の整理はついていました。」

<< 1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  12  13  >>