統合失調症と向き合う

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山根耕平さん
山根耕平さん
1971年生まれの44歳(収録時)。2001年に話すことができなくなり、心療内科を受診。その後、症状が悪化し、知り合いの伝手で北海道浦河町の「べてるの家」に行く。精神科を受診し、統合失調症と診断される。症状が安定したのは4年ほど前からで、現在は「べてるの家」の当事者スタッフとして活躍している。精神保健福祉士の資格を有する。
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6情報収集について
Q.病気についての情報は誰から入手しましたか

「やはり仲間からの情報が大きかったですね。インターネットが2001年頃は普及し始めている頃で、病気の情報とかも出ていたのですけど、それ以上に、仲間から、こういう症状が出た時はこういう失敗をしてこういう苦労をするけども、俺という先輩がいるから、お前もこういう失敗をしても大丈夫だというような、教科書には出てないような、いろんな応援をみんなから受けることができて……。

それで、僕はこういう症状が出ていて、いろいろ目に見えないはずのものが見えて聞こえて、苦労をしているけど、それでも、それを区別する練習をして、みんなとコミュニケーションを取っていれば大丈夫だとか、だいぶみんなから教わりました。」

Q.病気にまつわることで、今、知りたいことはありますか

「インターネットでいろいろ探せるということはあるのですけど、最近、学会とかにも一緒に行くことがあって、学会の先生の話を聞いたら、この(JPOP-VOICEでも)インタビューもされている糸川(昌成)先生とかが、遺伝子解析とかを進めた結果、人間の遺伝子を多く解析して、大人数の解析をすれば治療法が確立できるなどと言われていたのですけど、ここ2〜3年で、あまりにも多くの遺伝子が統合失調症には関連しているというのが分かってきた。

10年ぐらい前は10個ぐらいだろうと言われていたのが、今、論文によっては800個ぐらい、統合失調症の関連因子があるということが出ていて、それを科学的に、遺伝子解析によって治療を進めていくということが、結構今、行き詰まっていて、そちらの方面の方々が、今、べてるにいっぱい見学にいらっしゃっている。東大医学部の先生や京大医学部の先生とかがべてるに来て、いろいろ見ていらっしゃるみたいなので……。

科学的な治療もすごく大切だというのは僕も分かっていて、僕もお薬で半分助けてもらっているので、重要性は分かるのですけど、科学的な治療方法のみで突き進んで行くと限界があるということが、ここ数年分かってきたことなので、べてるで仲間を大切にして、自分の経験を分かち合って苦労を分かち合って対処方法を(見い)出すことで、症状がなくなっていなくても、普通に生きていけるという方法がやはり安心していられるな、いいなぁと思っています。

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