「今よく聞きますことは、『親が死ぬまでに、なんとか生活ができるようにしていってやらな』。で、『お金を残してやらな』とか『住まいを考えてやらな』とか、そういった先々のことを言われる家族の人がほとんどなのです。親の元気なうちに、いろいろな制度を使えるようにしていてあげるとか。つながりが大事と思うのです。行政なり、支援センターなりへつながっておくのがいちばんいいかなと思うのです。」
「そうですね、言うことは、『こうしなさい』『ああしなさい』じゃなしに自分で考えるようにしているのですけど、『うちの子やったらこういうふうに言うよ』というふうに。そういうたとえで言うようにしているのです。」
「若いお母さんは、こういう家族会がありますよと言っても、やはり経済的に現役で働いていますよね。それと、やはり、自分の意見を通そうとする。だから、私もそれも辿ってきたけど、自分の思うようにしたいという気持ちもありますよね。やはり若いお母さんたちは、苦労してきた先輩のお母さん達の話を聞いてほしいかなと思うのです。」
「医者、看護師、ワーカーとか病院関係のいろんな職種の人と、気楽になんでも話ができる密着した関係が持ちたいと思います。
もうちょっと、ざっくばらんに話ができたりすると、拒否している患者さんなどが少なくなるのではないかなと思うのですよね。『あそこはあかん、先生が言うこと聞いてくれん』というのを聞きますので。やはり聞けないところもあるとは思うのですけど、それなりにプロはプロなりに納得のいくように説明してやってほしいと私は思います。」
「こうしたほうがいいですよというふうな直接のことは聞けなかったのですが、年金を受ける時に、一所懸命で、本人も最初は嫌がっていたのですけど、『お金云々じゃなしに、そんな年金のお金みたいなの要らんだら、お母さんにやりな』とかというふうに、いろんな言葉で(息子を)説得してくれた時は、私は嬉しかったですね。
看護師さんが先に言ってくれて、そのあと先生がいろいろ診断書などを書いてもらわならんし。で、うちの子は、紹介状とか診断書とかでそういうのを書き上がった時点で、自分が確認しないと承知しないのです。その年金の時の診断書も、先生が1つずつ説明してくれまして、『ここはこんなふうやでなぁ、あんたは、こういうとこができやんやろ?』とか、それがいちばん嬉しかったですね。」
「私はですね、また前みたいに自立してほしいという希望はすごく大きいのですけど、家も、私がいなくなったあと、どうなるかは分からないのですけど、グループホームがいちばんいいかなぁとは思うのですけど、やはり一人で生活してほしい。
アパートかどこかに入って、ヘルパーさんなり、そういった支援を受けながら、ずっと、息子は息子でやっていってくれたらなというのを、いちばん願っているのですけど。でも、まあ家に帰りたいと言えば、家で生活もというふうなことも思うのですけど、今、本当に私、複雑なのですよ。」