統合失調症と向き合う

体験者の声 医療者・支援者の声 家族の声 私たちの活動紹介 イベント おしらせ
長友ゆみさん
長友ゆみさん
(ながとも ゆみ)
子どもの時から疲れやすく、人に合わせることが苦手だった。高校生の時に幻覚・妄想などの症状が出たことで精神科を受診する。高校を卒業後、北海道浦河町の “べてるの家”で11年間過ごし、現在は故郷に戻り、就労継続支援(A型)事業所(レストラン)で働いたりピア活動を行ったりしている。1人暮らし。収録日は長友さんの誕生日だった。
movieImage
<< 1  2  3  4  5  6  7  8  9  >>
9メッセージ
Q.統合失調症の方へのメッセージをお願いします

「私は男性依存症で、今は全然ないんですけども、若い頃はすごい性欲があって、苦しかったんですよね。それをどう処理していいか、ものすごく葛藤しましたね。今は薬を飲んで、すごく落ち着いて、1人暮らしでも平和に楽しく友達と暮らせるのですけど。

自分のやりたいこととか好きなことを、人の目を気にせず、堂々とやってほしいです。やっぱり病気だと、劣等感というか、周りの人と自分は違うのではないかとか、自分だけなんでこうなんだろう、人と自分が違うように思うかもしれないんですけど、変わっているとか、バカとか変な奴だなあとか思われても、それはそれでいいのではないかなあと思って…。また、そういう変な自分を出していると、いろんな人が近寄って来てくれて、友達もできたりして、変な自分を出しているほうが楽しいんですよね。いろんなことができて…。自分のことが笑えるし。だから、それで傷つくようだったらあれ(別)だけど、得することもいっぱいあるので、どんどん変なところを出して、楽しく生きていったらいいのではないかなあと思いました。

死にたいと思う気持ちも分かるのですけど、でも、死にたいと思っている時は、本当に、なんて言うか嫌なことばっかり起こるんですよ。だから、その時も必要な時間だったなとは私には思うのですけども、やっぱりある時をきっかけに、もう『幸せになりたい』という気持ちが出てきて、誰よりも幸せになってみせるという気持ちになって。(それ)から『幸せになりたい、幸せになりたーい』と思っていると、どんどん幸せなことがやってくるんですよね。人を傷つけないでいたら、真面目にきちんと生きていたら、絶対幸せになります。」

Q.幸せになりたいと思ったのはいつ頃ですか

「やっぱり、同じ病気を体験した仲間とか友達ができた時ですね。はじめて苦しくて入院した時に、もうみんな苦しい中でも一所懸命何とかして生きよう生きよう、幸せになろうと頑張っている姿を見て、私も頑張ろうと思いました。

はじめ病気になった時とか辛い時は、自分は1人だと思うかもしれないのですけど、でも絶対自分のことを理解して分かってくれる人は、必ずどこかに1人はいるので、そのことを思って、探してほしいですね。」

Q.ご家族へのメッセージをお願いします

「(自分の)家族には別にないですね。普通にしているのが一番有り難い。(私の場合は)親が止めなかったのが有り難かったですね、好きなことをさせてくれたっていうことが。自分のやりたいほうに行かせてくれるという…。」

Q.医療者へのメッセージをお願いします

「失敗した時は、見守って、助けてほしいです。それから、やる気がある時はどんどん応援してほしいですね。どんどんチャレンジさせてほしいです。」

Q.インタビュー協力の動機を教えてください

「私の役割として、今、人の話を聞いたり、ミーティングをしたりして、みんなが話しやすい気分になってくれて、話をして気分が良くなるということを仕事にしているんですけども、でもやっぱり、自分を伝えていく練習をしなければいけないなあと思って、あちこち講演したりして、自分のことも話す練習もしています。その上でお受けしました。」

<< 1  2  3  4  5  6  7  8  9  >>