がんと向き合う

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1治療の対象

「がんが粘膜内にとどまっている、あるいは粘膜下層のごく表層にとどまっているような病変であれば、リンパ節転移の危険性がとても低いということがわかっています。

具体的には、粘膜下層への浸潤が1mmより浅いものについては、内視鏡治療が基本になります。このような浅いがんは、リンパ節転移の危険性が非常に低いですから、内視鏡治療による局所切除という方法をとります。それでがんが完全にとりきれれば治るとされています。

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図1
がんが粘膜下層の表層にとどまっているものはステージIに含まれますが、粘膜下層にとどまっているがんでもリンパ節転移があるとステージIIIになり、これは内視鏡治療の対象外になります。あくまでも治療前の検査でステージ0ないしステージIで、リンパ節転移がない可能性の高いものに内視鏡治療が適用されます(図1)。

大腸の壁のごく表層のがんであっても、がんが大きくなると内視鏡治療が難しい場合もあります。一般的には、がんを一括して切除できる、あるいは粘膜を切除するにしても比較的安全に楽にとれる大きさというと、2cmぐらいまでが目安になります。がんの大きさがそれ以上になると難易度が高くなりますので、病変が少し大きなものはやはり内視鏡専門医が行う施設でないと、たとえ病変が浅いとしても手技は難しくなります。

病変が大きくなると、大腸の壁に穴があく危険性が出てきたり、全部とりきれなかったりということもあります。いくつかに分割して切除する場合も、がん細胞が残ってしまうことがありますので、一般的には大きさが2cmまでというのが内視鏡治療の目安になっています。

粘膜下層では、血管やリンパ管が入り組んでいます。がんが粘膜下層に深く食い込んでいる場合、がん細胞がリンパ管に入ればリンパ節転移、血管の中に入れば肝臓や肺などへの遠隔転移の危険性につながります。ですから、このような病気に対しては、リンパ節をしっかりとるということが必要になりますので、がんが粘膜下層の深くまで入っている場合には、外科的手術が必要です。」

■Q & A

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