統合失調症と向き合う

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西田淳志さん
西田 淳志さん
(にしだ・あつし)
東京都精神医学総合研究所
2008年に三重大学大学院医学系研究科を修了(医学博士)。同年、東京都精神医学総合研究所に研究員として着任。その後、University College of Londonの客員研究員、東京都医学総合研究所の主席研究員、プロジェクトリーダーを経て、2020年に同研究所の社会健康医学研究センター長に就任(現職)。
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11患者さん・ご家族との関わり
●統合失調症へのイメージが変化

「統合失調症という病気を、いわゆる早期介入、早期支援に携わることによって、われわれの中で非常に明るいイメージに変えてくれるんですね。で、これだけしっかり早期に関わることができれば、こんなに良くなるんだということを非常に体験させていただけるわけです。そういう体験をさせていただくと、非常に希望を持ってサービスの提供ができるんですね。そういう意味で、若い患者さん、もしくはご家族から、ポジティブな体験と言いますか、フィードバックをいただいているという状況があります。特に、非常に混乱して、最初入院されて来られるような方もいらっしゃるわけですけれども、濃厚にわれわれが関わって、濃厚に学校との連携を取ったりしていく中で、みるみる回復して、また学校に戻られていくというの(姿)を見ますと、統合失調症というのは、決して重度の病気ではなくて、(やはり)ある意味では、適切な支援や治療の遅れによって、結果的に重症化してしまうものではないかというふうな印象を強く持つようになってきています。そういう意味で、早期支援、早期介入というものに多くの方々が関わることで、統合失調症のイメージというものが、非常に大きく変わっていくのではないかと、自分の体験を通して感じているところです。」

●関わりで留意していること

「非常にシンプルなことですけれども、1つは、やはりその患者さんが回復すると、しっかりと自分でも信じて治療に取り組むということが重要だと思います。回復というのは、客観的に見て、学校に戻られるとかお仕事に戻られるとか、そういうことももちろんありますけれど、その方ご自身が希望される有意義な生活に戻れるということ、これはやはりしっかり信じて支えていくということが重要だと思います。希望を支えてしっかり支援していくということをわれわれができないと、なかなか若者自身もご家族も回復に強く進めないというふうに思いますし、われわれ自身がそれを固く信じて、治療支援を組むということが、早期の支援を含めて非常に重要ではないかというふうに思っています。」

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