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川崎 優子さん
川崎 優子さん
(かわさき・ゆうこ)
兵庫県立大学看護学部助教。専門はがん看護、遺伝看護。日本緩和医療学会の緩和ケア普及啓発事業『オレンジバルーンプロジェクト』の事務局を担当。週に1度、兵庫県立がんセンターのがん相談支援センターで相談員をしている。
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1困ったときは、がん相談支援センターへ

「看護師として、(兵庫県立がんセンターの)がん相談支援センターで患者さんやご家族の相談に対応しております。」

●相談例1 「セカンドオピニオンをとりたい」

「セカンドオピニオンにかかりたいという相談をよく受けることがあります。その理由としてまず最初に言われるのが、『主治医から言われたインフォームド・コンセントの内容が納得できない』ということと、『もう治療ができないので緩和ケアを受けられる施設に行ってください、と単刀直入に言われたけれど、自分のなかで準備ができていないので、苛立ちや怒りを感じる』ということです。その場合、簡単にセカンドオピニオンが受けられる施設を紹介してもいいのですが、よくよく聞いていると、主治医と患者さんとの間にコミュニケーションの行き違いが起きているだけで、それが解決されれば、何もセカンドオピニオンにかからなくても今の主治医の治療を継続して受けていけるということが往々にしてあります。ですので、セカンドオピニオンの相談を受けたときには、即、施設をご紹介するのではなく、主治医との関係性をお伺いしながら、どこでコミュニケーションの行き違いが起きているのかを解きほぐすようなことを日頃からしています。そこを解きほぐすと、大方はもとのところに戻っていかれるという感触を得ています。」

●相談例2 「先生の説明がわからない」

「たとえば外科の先生は手術をしながら、病棟の患者さんを診て外来診療もするので、十分な説明をする時間がたぶんないのだろうと思います。ですから患者さんは先生から10のことを説明されても、残っているのは2〜3のことが多いのですね。そうすると先生は説明されたつもりでも、患者さんのなかには2〜3しか残っていないので、残りの7〜8の部分を埋める作業が必要になってきます。相談センターに来られたときには、その2〜3の情報のなかで話されますので、お話を伺っていくと『今お聞きしたことの背景にはこういうことがあると思います』とひとつひとつ説明していきます。するとその2〜3の情報が患者さんのなかで5、6、7、8と増えてゆき、不満に感じていたことに対して『そういうことが背景にあったんですね』とか、『先生にはそういう事情があったんですね』と、少し柔軟に考えていける余裕ができてきます。また患者さん自身が頭のなかで、情報の整理ができるようになったりもします。

日常で皆さんが困られている内容について、どんなことでも構いませんので、まずは電話を取って一度相談していただくと、なんらかのお手伝いができるのではないかと思っております。」