2べてるの家と地域について
③ 地域の中で暮らしていくために
③ 地域の中で暮らしていくために
●当事者の方が地域で暮らしていくために求められることは?
「やはり一番分かりやすいのは、相談上手になることですね。それに尽きますね。
とにかく相談することです。そのうちに相談上手になっていきますね。最初はどうしていいか分からないから相談するわけですけど、そのうち一番最初に相談するのは自分だということがだんだん分かってくる。
人に相談する前にちゃんと、そういう大変な現実を眺めて生きてきたという自分の中に、さまざまの経験や蓄積、知恵があるということに気づき始めて、自分はダメだから人に相談する、自分には何もアイデアが浮かばないから相談するという発想なのですが、私達はそれを『苦労の丸投げ』と言うのですけど。最初に相談するのはちゃんと自分で、自分に相談した結果をもって(他者に)相談するというふう(に)なるということ、だんだん自分に(の)力に気づいてくるというか、そこからすべてが始まりますね。それはどんな時でもそうだっていう……。」
●相談する、その一歩が難しいですね
「はい。ですから、相談の仕方が分からない時、人は、壁を叩いてみたり大声を出してみたりという、まずは最初の発信があるわけですね。
壁を叩くと穴があきます。そこには修理代が発生するわけです。そしたら五千円、一万(円)払うよりはひと言『困ってる』と言えれば、安上がりなわけです。そういうことで気づいていくわけですよね。」