統合失調症と向き合う

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たっちさん
たっちさん
(たっち)
1963年(昭和38年)生まれ、48歳(収録時)。幻聴が聞こえるなどの症状により、32歳の時に職場の上司の勧めで精神科を受診。入院体験はなし。就労を望むも長期雇用に結びつかなかったが、就労継続支援事業所のサポートを受け、現在は、週5日1日4時間店舗に勤務し、商品出しや接客などに従事している。
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9心の支え
Q.一番辛かったことは?

「やはり最初の頃のリストラに遭っていた時期だと思います。仕事をしても続かないという形で、どの会社でもリストラになる。しかも、仕事は決まらないので職安(職業安定所)に通いますよね。職安に通って面接を受けるけれども、会社に入社できないとか、そういう時期がとても苦しかったです。

職安で、就職訓練を受けたりもしましたが、それでも仕事に就けないこともありました。だから、そうなってくると、『自分にはやっぱり能力がないのではないか』とか、思いだしまして、どんどんどんどん悪い方向に考えてしまいますね。そういうふうになっていました。

それ(作業所に行く)までは、自力で、クローズドで就職を探すということをしておりました。もっと早く自分の病気を考えて、こういう所(作業所等)を紹介していただければ良かったと思っております。」

Q.心の支えは何ですか

「やはり両親の助けですね。やっぱり調子が悪くなると気づいてくれますので、精神的な支えになったと思います。

それから友人ですね。大学の時の知り合いとは今でもつき合っておりまして、たまに飲み会などもありまして、そういう時に話せるのが、いい心の切り替えというのですかね、楽しみになっておりました。(病気のことは)話しておりません。友達はそういうふうに(普通に)接してくれますね。」

Q.今後の展望・希望は?

「そうですね、もっと長い時間働きたいと思っております。その方向に進んでおります。上司からも、1時間・2時間、働く時間を延ばしてあげるというふうに言われております。正確にはいつからかは分からないのですが、今、検討していただいているところです。

(仕事の内容は)合っていると思います。やはり接客していて、お客様に喜んでいただく。商品の場所を教えたり、商品を薦めたりすることで喜んでいただけるのがうれしいです。

昔は、病気で家にいることが多くて、人と接することが少なかったのですが、作業所へ来てから、作業所の仲間ともお話ししたり、いろいろコミュニケーション能力を鍛えたりしまして、だいぶ話すようになってきて、だいぶ自分でも明るくなったと思います。」

Q.不安に思うことはありますか

「そうですねえ。将来に対する不安ですね、やはり。将来、両親が亡くなった時に、自分がどうなってしまうのだろう、これで生活していけるのだろうかとか、そういう不安がありましたね。経済的な面、精神的な面、そういう不安をもっておりました。

(今は)就職することもできましたので、だんだん経済的にもこれで将来設計をもう少し働けばできるなとか、そういう展望が持てるようになりましたので、そういう面でだいぶ精神的に安定しました。

あとは将来的に彼女をもちたいなと思っているぐらいですか。でも、私の稼ぎではちょっと妻はもてませんので、その所がちょっと残念かなと思っております。」

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