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石井京子 さん
(いしい・きょうこ)
テスコ・プレミアムサーチ株式会社 代表取締役
公益社団法人 日本オストミー協会 業務執行理事
2000年、大手通信会社の管理職を務めていた当時、知り合いの勧めで受けた検査で初期の直腸がんが見つかる。手術を受け退院後、職場に復帰。自分に残された時間を意識するようになり、退職。1年間の充電期間を経て、障害者の就職支援の仕事と出会い、専門のコンサルティング会社を設立。現在、障害者、難病患者、がん体験者の就職相談を幅広く受けている。著書に『発達障害の人の就活ノート』ほか。Twitterブログ
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2内視鏡治療を受ける

「(先生に)『腫瘍があります』と言われ、『すぐに精密検査を受けなさい』とい うことになりました。最初は『内視鏡で取れる』と言われたので、こちらも5〜6日の入院というつもりで入院しました。しかし実際に処置をしてみると『根があり、内視鏡では取れませんでした』ということでした。それでまた手術日を決めて、開腹手術をすることになったのです。

私は会社で管理職をしていました。手術日まで1週間〜10日あったと思うのですが、そのまま入院しているわけにはいかないので、一度退院をしました。『退院します』と言うと、ちょっとびっくりされたような気はします。でも『何もしないのに病院にいても仕様がないので』ということで退院して、一度職場で仕事をしてから、また手術の前々日に入院をしました。」

●開腹手術とイレウス(腸閉塞)

「今度は『2〜3週間(入院します)』と職場に伝えて入院し、手術自体は無事に終わりました。ところが手術後にイレウス(腸閉塞)を起こしてしまったのです。あとで医師から説明を聞くと、縫い目のところに腸が挟まれて『どうしても抜けなくなってしまった』ということでした。それで10日後にもう1回、開腹手術をしました。がんそのものよりも、イレウスで辛かったことのほうが、記憶が鮮明です。いちばん苦しかったです。腸の位置を直してからは、苦しさがあっという間に消えて、『別人のような顔をしている』とよく言われました。」

●いちばん心配だったこと

「(がん手術の)10日後にまた(イレウスのための)開腹手術をしたので、入院が延びてしまったのです。それがやはり職場での自分の立場上、いちばん心配なことでした。」

●筋力の低下に呆然とする

「私は今まで『すごく健康』と言われていて、自分でも体力に自信がありました。ですから、こんなに少しの入院で筋力が落ちてしまい、特に開腹手術をして腹筋の力がなくベッドから起き上がれないことに、何か呆然とした記憶はあります。ベッドの手すりを握って、腕の力で体を起こすみたいな感じでした。」

●保険について

「健康な頃は全然意識していませんでした。ただ偶然なのですが、がんになる1年ぐらい前にたまたま知り合いに勧められて、医療保険に入っていたのです。特別高くはなかったのですが、一応入っていたので、入院中のいろんなものはカバーできる分ぐらいはありました。今、日本人の3人に1人、あるいは2人に1人ががんになるのであれば、これは入ったほうがいいでしょうね。特にご家族や親類にがんの方がいらっしゃる場合は、これはもう絶対に入ったほうがいいとは思います。」