統合失調症と向き合う

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岡崎 祐士さん
岡崎 祐士さん
(おかざき・ゆうじ)
都立松沢病院 院長
1943年熊本県生まれ。東京大学医学部卒業。長崎大学助教授、三重大学教授などを経て、現在、精神科病院ながら内科・外科等の諸科を有する東京都立松沢病院院長として精神科医療に従事。日本統合失調症学会理事長、日本精神神経学会理事なども務めている。
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5医療従事者へのメッセージ
●症状を消すことが第一ではない

「私共はともすると、病気の症状を消すことだけに中心をおきがちだったんですね。ですから薬の量が多すぎて、いわゆる鎮静という、興奮していない状態、興奮はやっぱり理由があって起きるわけですね。そのきっかけとなることをなくすようにすることがまず第1で、興奮そのものを薬で鎮静させるということは第1の課題じゃないと思うんですね。一番重視しなくちゃいけない課題は、その方がどういうことに関心があって、何をしようとしているかを実現するように援助することだと思うんですよね。統合失調症は、その症状と関連して生活の障害が起きるわけですよね。で、この症状を消せば全て生活上の障害が解決するかというとそうじゃなくて、それは独自の課題で、やっぱり生活の障害を克服するような援助をしていくことによって逆に症状が消えるということもあります。ですから、症状を消すために薬をたくさん使ったり増やしたりという発想、ある場合にはもちろんそういうことも必要ですけども、そのことだけにいかないで、その方が生活していく上でのサポートをしていくということを主にした治療、それが大事だと思います。」

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