統合失調症と向き合う

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野村忠良さん
野村 忠良さん
(のむら・ただよし)
1943年(昭和18年)生まれの66歳。「家族会 東京つくし会」の理事として活躍。母親が統合失調症となり、少年期から苦悩の日々を送ってきた。30歳のときに父親と一緒に家族会に入り、それ以降、30数年にわたり家族会の活動に真摯に取り組んできた。現在も精神科医療の社会的な位置づけ、支援の広がりを目指す活動を行っている。
家族構成:父、母(病気体験者)、姉2人、妹1人
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4周りの人との関わりについて
●隣近所とのつきあい

「気をつけるもなにもね、近所づきあいというのはもう気をつけようがないですよね。どんなに私たちが親しくして謝ったって、母は懲りずに何回でも何回でも同じ事をやりますよね、ガラス割りに行ったり、近所の人に挨拶もしなかったりね。町内会の段ボールの置き場の段ボールに火をつけたり。たいへんなことですよ。だから私たちは、もう近所づきあいはあきらめていたのね。だからできるだけ没交渉、できるだけ会わないように、顔合わせないようにする。ですから、つきあいで気をつけるなんて言ったって、引っ越してくれって怒鳴り込んでくるんですからね、隣と隣の家とかね。それでお隣の家が、嫌だったらいつのまにか引っ越していなくなっているしね。気がついたらいなかったと…。

そんな状況ですから、もうやっかいものですよ、私たちは。地域にいられちゃ困る存在。だから気をつけることといったら、できるだけ迷惑をかけたくないんだけど母が迷惑をかけまくるからね、それはしかたがないことでしたね。」

●親戚との関わり

「親戚との関わりということでは、母の弟が、うちに一時期居候したことがあるんですね。何か月か忘れたけども。そのとき僕と相撲取ってくれたり将棋教えてくれたりね。私にとってはうれしい時期でしたね。ほんとうれしかった。おしゃべりが大好きな弟さんで。僕にとっては叔父ですよね。そしてとっても人とのコミュニケーションが上手、明るくてね。それで母も弟とよく会話をしたりしていたんでね、僕も安心しました。それが(叔父は)仕事が見つかったらさっといなくなってしまってね。もっと家にいてほしかったなあと思うんですがね。

まともな風が入ってくる、社会のね。人間らしいつながりがそこにあるわけですよね。頼もしいというかな。で、父もうれしかったと思いますね。父も一緒に2人でよく話をしていました、タバコ吸いながら一緒に。だから父にとってもほっとできたときだったんでしょうね。それから叔母がときどき訪ねてきてくれたりね。母の妹ですね。それはとても有り難かったですね。」

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