統合失調症と向き合う

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倉田真奈美さん
倉田真奈美さん
(くらた まなみ)
41歳、夫と2人暮らし。22歳で精神科をはじめて受診。自殺未遂を繰り返すなど苦しみ続けたが、数年前から病気とのつき合い方が分かりかけてきたという。自己病名は、「統合失調感情障害・全力疾走ガス欠型・世話焼きアディクション」。調子を崩したときは短期入院で生活のバランスを取っている。現在は、WRAPやIPSなどのファシリテーターとして活躍中。
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収録後、「考え方が変わり、今は子どもを持つことを考えて薬を安全なものに変えたり、体質改善にウォーキングしたりしています。精神病の完治を、今信じています。そのために発病の引き金になった不妊症が避けて通れなくて、真っ正面から向き合いたいと思います。より前向きに自分の人生を選び取って自分でデザインして自分が主人公の生き方をしています。」とのメッセージが倉田さんから届いた。
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5自殺未遂について

「未遂を入れたらもう数限りなく…、包丁に手を伸ばすとか、車道のほうにふらふらっと行くとか。夫も当事者なのですけど、二人分の精神科の薬を探してタンスの中を引っ掻き回すとか、そんなことはもう日常茶飯事だし。最初の結婚のときは毎晩、高い橋があったんですけども、その高い橋のふもとまで車を運転して行って、『今日は飛び降りよう、今日は飛び降りよう』と思って、その橋のところで夜を過ごしておりました。」

●自殺を思いとどまらせたもの

「そうですね、本当に死のうとしてやばかったことの中に、九州のほうで有名な自殺の名所があるんですけど、そこまで車で何時間もかけて行ったんですね、夜中に。そこで飛び降りようとしたら、白い車がスーッと止まって、中から黒服の人が4人降りてきて、その橋の下の逆巻く海に向かって、手を合わせているんですよ。ということは、ここで死んだ人の遺族がお参りに来たんだなと思って、私も車の中からその様子を見ていたんですね。そしたら、『ああ、私にもこうやって心配してくれる家族とか誰か、友達とかがいるのかな』と思ったそのときは、とどまれたんですね。

やっぱり、毎回毎回『死にたい死にたい』と思うんだけれども、人とのつながりを思い出されたときとか、電話とかメールとかを緊急のときに出して、返ってきて、『生きていてほしい』というメッセージが自分の中で受け止められたときは、(自殺を)止めることができます。もちろん、大量服薬してICU(Intensive Care Unit:集中治療室)に入ったことも2回ありますけれども。やっちゃいますけど。(それは)最近です。良くないですねえ。」

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