統合失調症と向き合う

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倉田真奈美さん
倉田真奈美さん
(くらた まなみ)
41歳、夫と2人暮らし。22歳で精神科をはじめて受診。自殺未遂を繰り返すなど苦しみ続けたが、数年前から病気とのつき合い方が分かりかけてきたという。自己病名は、「統合失調感情障害・全力疾走ガス欠型・世話焼きアディクション」。調子を崩したときは短期入院で生活のバランスを取っている。現在は、WRAPやIPSなどのファシリテーターとして活躍中。
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収録後、「考え方が変わり、今は子どもを持つことを考えて薬を安全なものに変えたり、体質改善にウォーキングしたりしています。精神病の完治を、今信じています。そのために発病の引き金になった不妊症が避けて通れなくて、真っ正面から向き合いたいと思います。より前向きに自分の人生を選び取って自分でデザインして自分が主人公の生き方をしています。」とのメッセージが倉田さんから届いた。
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13医療者へのメッセージ

「お薬のことですとか治療法とかの悪い面もちゃんと伝えてほしいなと思うんですよね。この薬を飲んだらこういう良い面がありますよ、ばかり言うのではなくて、副作用のことも伝えるとか。入院をしたら落ち着いて寝られるけれども、たしかに生活能力も落ちるし、体力も落ちるし、あとで社会復帰するのに何か月も何年もかかってしまうよというようなことも、インフォームド・コンセントじゃないけれども、きっちり伝えておいて、それからいろんなサービスを提供しないと。一方的に押しつけてしまっていて、あとから苦しむということが結構多かったので…。

医療関係者の方には、やっぱり、当事者の側に立ったら、もし自分の家族が精神病の患者になったら、子供とか配偶者に自分がやっている医療を受けさせたいかと思ってもらって、ほんとに家族に対してやっているような医療だと心がけてやっていただけたら有り難い。そしたらもっと日本の医療も変わってくるんじゃないかなと思います。

実感として分かっているというか。例えば、長く入院している人で、『この間も睡眠薬を変えたけれども、よく眠れないんだよね』と、『お医者さんも薬、何にしたらいいかもう分からないんじゃないかなあ』とか『薬が多すぎてどれが効いているか分からないんじゃないかなあ』とか、鋭いことを患者同士で話したりしているんですよね。たぶんお医者さんが聞いたらグサーみたいな感じ、痛いところを突かれたぞ、みたいなところがあると思うんですけども。やっぱりお医者さんも正直に、実はどの薬が合うか分からないんですよ、と。試しているんだけれども、実際どれが良いか分からないので、例えば、たくさん処方している薬を単一処方にしてみるとか、ちょっとこの薬はやめてみて、様子を見させてもらいたいけれどもどうですか、みたいな感じで、薬を変えることに対しても、きっちり説明をしてあげる…。

お医者さんは(患者は)知らない、分からないだろうと思っていても、患者さん同士って相部屋とか、タバコを吸っているところとか、テレビを観ている部屋とかで、結構情報交換をしていますからね。やっぱり自分の治療のこととか、治るんだろうかとか、薬のこととかものすごく知りたいと思っているから、きっちり説明するほうが良いと思います。」

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