「デイケアというのは、本当にやり方によってはさまざまな効果があるんですね。再発とか再入院を防ぐ効果ももちろんありますし、薬を飲まなくなってしまって再発するという方がとても多いんですけども、服薬の必要性みたいなことも学べる場であるんですね。
ちょうど今年(2009年)の2月にDH(デイホスピタル)が35周年ということで統計を取っているんですけれども、それによりますと就労就学というのが261名で51.7%という数字が出ています。そこには保護的就労、例えば作業所に通うとかというのが含まれていませんで、保護的就労が29名で5.7%なので合わせて約290名、57.4%の方がなんらかの形で社会復帰を果たしているというふうな結果が出ていますね。これはデイケアをちょうど卒業する時点の就職した率なんですね。なので、そのあとの経過が、例えば就職してもすぐにやめちゃうというようなことになるとそれはあまり意味がなくって、そのあと何年間かの経過もちょっと長い経過を追ってみるということも必要だというふうに思っています。」
保護的就労:授産施設や作業所などの施設と契約を結び、病気や障害を理解してもらった上で一般就労へ向けて、訓練も含めた働き方。
「うちのデイケアに、よくデイケアをやっていらっしゃるスタッフの方が見学に来てくださって、『すごいね』とか『みんな元気だね』とか、『でも私たちにはできそうもないわ』とかというような声も聞かれるんですね。うちもそんなにスタッフの数が多くてやっているわけではないんです、はっきり言って。で、他の施設の方に、やっぱりできるところから取り入れていかれると良いですよね、それぞれの特徴があって当たり前なのでとお話し申しあげるんですけど。
私ができることというのは、やっぱりメンバーの良いところを見つけようというような姿勢ですよね。それは可能なんじゃないかなっていうふうに思うんですね。メンバーはできないんじゃないかな、これはやらせられないよとかね、そういうふうにどうしても思うと、どんどんどんどん職員がやってしまってメンバーがやれる芽を摘んでしまうということがある。1つでもメンバーにまかせてみて、『あ、できたじゃん』っていうふうに思うと、この人はこれができたんだからじゃあこっちの人もこれができるかもしれないなっていうふうに職員の姿勢というか、メンバーさんを見る目が変わっていくと思うんですね。だからやっぱりメンバーの力を信じるとか、メンバーができることは何だろうとか、その人の良いところはなんだろうとか、そういう姿勢っていうのは持てるんじゃないかなっていうふうに思っています。で、そこがうまくいくとだんだんメンバーにまかせられる役割っていうのを見つけられるようになっていくんじゃないかなって思いますし、そういうふうになっていくと、いろんなプログラムも、ここをまかせてみようとか、そういうほうに良循環していくような気がしています。」