「かなり年配の先生でして、男の先生だったのですが、いろいろ問診をして、『こちらに通っていれば大丈夫ですから』というような話を最初にお聞きしたのです。
その時には学校であった内容を先生にはお話ししました。あんまり細かく本人にはいろんなことを聞いているふうには見えなかったのですけども、通ってみなさいというような内容だったと思うのですね。
病名ははっきりとは言われなかったと思うのです。『へんだ』ということを家族のほうから言っていますから、『ああ、分かりました』と、そういう先生の受け取り方だったと思うのですね。」
「お薬はちゃんと飲みなさいということで、本人にも話をされました。
精神的に落ち着くとか……、あまり細かい話はなかったのですが。私も、もし薬の名前を聞いたとしても分からないものですから、コツコツ動いたりするのは困ると思っていましたので、『落ち着きますよ』と。それから普段、ちょっと眠くなるかもしれませんというような話だったと思うのですが…。」
「先生のほうに状況を聞きに行きますので、統合失調症という病名は、書いた書類などをもらうか見せてもらう時にはそういうふうに書かれているので…。
統合失調症というのは、最初はピンとこなかったのですけども、家に帰って辞書で調べれば、『ああ、こういうことか』というのは分かったのです。昔はたぶんそういう名称じゃなかったと思うのですけども。精神的な異常をそういうふうに言うのだなというのは分かったのですね。
二十歳ぐらいまでの2、3年ぐらいはそういうふうに思っていたと思うのですけども。最初のうち、何回か幻聴が聞こえるとか…、ちょっとひどい時もあったものですから。例えば夜中に外に飛び出すということもあったのです。それを近所の方が見つけて家に知らせてくれたとか、そういうこともありますので。
ただ、悪くならずにだんだん良くなったものですから、だんだん不安はなくなってきました。」