「2番目です。その個人のクリニックは個人の診療所ということもあって、投薬治療が中心だったのですね。で、投薬治療だけでは、ある程度の効果は得られたのですが、どうしてもそこから先、社会復帰に向けてのペースが落ちてきたので、母も心配してくれて。母が知り合いから、『ここが良いよ』みたいなことを教えてもらってきて、で、『ちょっと病院を変えない?』ということで、母の勧めで今の病院に変えたという感じです。(それは)18歳の時ですね。
その個人のクリニックは結局、高3の秋の11月頃からだったので、半年ぐらいで、ある程度改善は見込まれたのですけど、卒業した年の6月ぐらいに現在の病院に通うようになりました。
病院が変わってすぐさまざまな検査や問診、光トポグラフィーのような検査を受けて、病院を変わってすぐに主治医の先生に『統合失調症って聞いたことある?』みたいな感じで診断を受けました。
あんまりズバッと言われたわけではなく、すごい柔らかく告げられた感じです。(統合失調症という言葉は)ニュースとかでなんとなく聞いたことがあるくらいでした。(病名は)なんか不思議とショックみたいな気はあんまりなく、割とすんなり受け入れられたような気がします。」
光トポグラフィー:身体に害のない近赤外光を使用して前頭葉の血流量の変化パターン(脳の活動状況)を見えるようにする検査。血流量のパターンは、健常、うつ病、双極性障害(躁うつ病)、統合失調症で異なる。診断補助として利用する。
「しばらくは投薬を続けてみて、だいたい2、3か月ぐらい経ってから、『デイケアというところがあるんだけど、行ってみない?』みたいな感じで、先生からちょっと勧められました。
で、勧められたものの、当時は病気になって1年も経っていない時期で、改善されたとはいえ、やはり人が恐いというか人の中に飛び込んでいくのが恐いみたいなものもあったので、ためらいがあって……。勧められたのがその年の8月か9月ぐらい。で、ひと月かふた月後ぐらいに、1回見学は行ったのですけど、やはり『なじめないのではないかな』という思いがあって、それから結局また1年ぐらい、ずっと通院だけ、外来の診療だけで…。
1年ぐらい経ってからもう1回先生に、『気が向いた?気が向いたら行ってみて』みたいな感じで、勧めていただいて、有り難いことに。その年の10月の末くらいにもう1回(デイケアに)見学に行かせてもらいました。
で、そのデイケアではイベントがあるのです、年に数回。そのイベントの準備中で皆さんすごくバタバタしていて……。ただでさえ、ちょっと躊躇があるのに、バタバタしていたらさらに混乱してしまうな、みたいな思いがありまして。じゃあ、そのイベントが終わったら、終わったタイミングで入ろうみたいな感じに先生とも話し合って。で、イベントが終わって11月の第一金曜日だったと思います。正式に入る運びとなりました。
最初は、まだまだ全然、そのデイケアは木曜が休みで週4日のペースなのですけど、4日なんてまだまだとうてい無理だろうと思っていたのですけど、スタッフの方が相談に乗ってくれるのです、親身になって。で、その方の助けもあって、徐々に、最初は、金曜日の午前だけという感じで……。
毎日、例えば午前はスポーツ、午後はSSTみたいな感じでいろいろなプログラムが決まっていまして。で、金曜日の午前中はゲームの時間で、例えばテレビゲームをみんなでやったり、卓球をやったり、それぞれに自由に楽しむ時間で、僕もゲームが好きだったので、まずは金曜日なら比較的とっつきやすいだろうと。で、徐々に、だいたい1か月ごとに1日増やすみたいないペースで。自分の予想していたよりも早く、日数を増やしていきました。
僕の通っているデイケアはさまざまなゲームがあって、みんなでわいわい対戦したり……。かといって、必死になって勝利を掴むみたいなことではなく、みんなで和気あいあいと楽しんでいくといったプログラムですね。(デイケアに通い始めて)だいたい丸4年か5年くらいだと思います。」
SST(Social Skills Training):「生活技能訓練」または「社会生活技能訓練」と訳され、認知行動療法に基づいたリハビリテーション技法。社会で生活していくために、対人関係を良好に維持する技能を身につけ、自信を回復し(QOLを高める)、ストレス対処や問題解決ができるスキルを習得(再発防止)する目的がある。