統合失調症と向き合う

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清水康彦さん
清水康彦さん
(しみず やすひこ)
昭和50年生まれの42歳(収録時)。大学で歯学部の学生だった22、23歳の時に発症。医療保護入院の形で精神科治療を受けることになる。現在は、生活のリズムを作るために地域活動支援センターに行ったり、同じ病の仲間と集まるようになった。
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9差別、偏見について
Q.精神の障害に対して差別や偏見を感じたことはありますか

「あんまり無いのですけれど、たぶん、それが出てくるのは、自分がまだあまり行っていない仕事とか、社会に出る時にすごく出るとか、そのような気がしているのです。一般の人の中にばーっと入っていった時に、まあ、どんな反応を受けるかというのは分からないですけれど。自分の立場で言ったら、ハローワークに行った時に、『まだやめておきます』みたいなことを言われたことがあって、しゅんとなって帰って来た覚えがありますね。ま、それが別に差別や偏見なのかどうか分かりませんけれど。

うーん、ま、そんなようなこともあったなという……。強くいろんなことを言われたりされたりしたことはそんなに無いですね。どちらかと言うと。」

Q.あなたの人生を良くしてくれているものは?

「そうですね、いちばん身近にいるのは家族とか、友達とか知り合いもそうですし。あと自分自身が、なんというか内側から自分を支えるとか、そんな部分でやりとりしていますね。

昔は例えば本当に本とかを読んで、その内容に結構ガーっとのめり込んでいたのですけど、そういう方向は無くなってはきたのですよね。だんだんだんだんと、それもかみ砕いてきたというか、自分なりにかみ砕いて、生活の生き方、ちょっとした知恵ぐらいにしておいて。あまり、さっき言った部屋の散らかり具合とかを見直しながら、それなりに自分が安定して生活してやれるといいかなぁと思って。」

Q.今の楽しみは?

「もともと歌とか音楽が好きなので、そういうことができる仲間がいることはいるので、そういう人達と楽しむ範疇でそういうことができたらいいと思いますし。自分一人でやる時は、写真を撮ったりするのも好きなので、写真を撮ってそれに俳句をつけたりする趣味も持っているので、そういったことを調子の良い時に。

(クリエイティブ?)んん、自分はどちらかというとそんな感じみたいですね。何かちょっと自分の思っていることを誰かに伝えていくということを、たぶん昔から意識していたのか、そういうスキルがあったのか分からないですけれども、そういうことは割かし抵抗なくできるので。まあ、こういうことも、していこうかなとは思いますね。」

Q.リカバリーといった言葉がよく言われるようになりましたがどのように捉えていますか

「言葉は確かによく見かけるのですけど。リカバリーと言うけど、じゃ、どういうのをリカバリーと言うのかなぁみたいな感じで、まだよく分かっていない感じもちょっとありますね。たぶん自分らの立場の人がどうなったら、リカバリーというのかなとか、何をもってそういうのか。そんな決まりがあるわけでもないだろうし、ちょっとまだ、言葉はいっぱいある、見かけるのだけど、実際どんなものかよく分からない感じですかね。この間、集まりでもそんな話が出たのですけれど、リカバリーとか寛解(かんかい)とか……。

リカバリーという言葉自体と自分があまり関わり合っていない気がしますね。確か話の中でそれだけ書いてあった、病気になった段階で、その後の人生がばっさり切られたような気がしますと書いたような気がするのですけれど。よく病気になる以前と以後で、なんかだいぶ変わったなという人もおるのですけれど、自分も確かにそうなのですけれど。病気があったから、確かに今こんな生活をしているのですけれど、それを自分の中で負い目に感じていたりとかして、いつまでもそのことを引きずっていると、それはリカバリーではないと思うのですよね。

自分なりに、まあ病気があってもなくても関係なく、以前以後も関係なく、今の自分として両方受け止められたら、たぶんそれはそれでリカバリーとも言えるのではないかと自分なりには思うのですけれどね。まあ、自分はやはり、昔の自分と今の自分とでちょっとまだ、どこかに溝があるというか、それは感じますから。

(将来?)そうですね、今の段階ではまだ分からないですね。今のところ別にそんなに気にしていないです。まあ自分自身が、まあ、今日みたいな体験ができたことが、すごく新鮮でしたし。何かの形で、活かされてくれればいいなと思います。」

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