統合失調症と向き合う

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清水康彦さん
清水康彦さん
(しみず やすひこ)
昭和50年生まれの42歳(収録時)。大学で歯学部の学生だった22、23歳の時に発症。医療保護入院の形で精神科治療を受けることになる。現在は、生活のリズムを作るために地域活動支援センターに行ったり、同じ病の仲間と集まるようになった。
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10メッセージ
Q.同じ病の方へメッセージをお願いします

「こういった心の病気、統合失調症をはじめ、いろんな病気がありますけれど、そういった病気を持つというのは、確かに楽ではないです。一見して、人からは『分からん』と言われることがよくあるのですけれど、その内情というか、自分の中では結構やはり辛い思いやいろんな思いを通り越してきて今がやっぱりあるので。

病気を受け入れるというのはひとえに簡単なものではないのですけれど、近年ではそうやって相談に乗ってくれる人が比較的増えたりとか、いろんな所にそういった方がおられるので、それはやはり自分だけでなんとかしようと思ったりしないで、できるだけその人に助けを求めるというか、支えてくれる人を見つけるのも大事だと思います。

同じような経験を持っている仲間と知り合ったりすることも、やはり何かと助けになりますね。あと、自分もそうなのですけれど、やはり病気の元になっているものはもしかしたら家族との関係の中でのやりとりが結構大きいかもしれないですよね。それが、家族との縁は切っても切れないものですから、本当に長い目で見て、それが少しでも和らいでくれば、病気の状態も和らいでくるかもしれないと自分では思っています。だからほんとに、それぞれ状況は違いますけれど、ご家族は大事にして過ごしていったらいいと思います。」

Q.家族にできることは?

「まあ、できるだけですけれど、できるだけご家族当人の息子さんだったり娘さんだったり、ご当人自身のことを、その人の、そのままの姿で見てあげることができたら、少しは負担が和らぐのではないかと思います。当人のです、ご病気になられた方の。

よく聞くのが、『なんであんたは普通にできんのや』とか。この普通とか、まともにとか、そういうふうな、誰のことか分からないものと比べられて、それができない自分に苦しむということがよくあるのですけれど。そうではなくて、そこにおられるご自身と向き合って、当人の気持ちを聞いてやったら、少しでもいいのではないかなと思うのですよね。

兄貴と自分は、ま、なにぶん男兄弟なもんですから、結構さばさばしていて。まあ、会ったら『よう!』ぐらいの感じで、やりとりは、そんなに無いのです。ですけれど、やはり、血のつながっている兄弟というのはやはり大事なものですから、なんて言うのかな、ありがたいです。」

Q.医療従事者や医療体制に対しては?

「そうですね……、医療に携わってくれている方とか、病院とか施設におられる職員さんもそうですけれど、実際、人手というか数は増えてきていると思うのですよね。ここ10年やそこらで、みかける人がどんどん増えてきているので。

だからそうやって、人員確保とかしてくれているのだなというのは感じるのですけれど、それだけやって、中には、職員さんでも、まだ若手の方も結構増えてきたりしているので、そういった中で、時々自分たちのほうが知っていることが多い時があったりして。まあそういった、いろんな経験とか、時には『こんなことあってな』ということを、伝える範疇でね、自分らもそうやって伝えていけたらいいのではないかなという気がする時はあります。本だけで勉強しても分からないことが結構いっぱいあるので。」

Q.今回、インタビューに協力してくださった理由を教えてください

「話をしていた中でも自分が思ったのは、自分自身がやはり、自分の思いであったり経験だったりを、他の人にも伝えてあげたいとか、分かち合ったりすることができたら、何か良いことがあるのではないかなという思いもあったので、今回の話にやはり応じられた部分があると思うのです。

例えばFacebookだったり、そういったことも普段からしていたりするので、そういった面では比較的(顔や実名を)出すことにはあまり抵抗なくできた部分もあります。もともと、音楽をやっていた時もそうやって外に出て行くことをしていたので。」

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