統合失調症と向き合う

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森本隆道さん
森本隆道さん
(もりもと たかみち)
50代前半(取材時)。11回の入院を経験。8年前に親元を離れ一人暮らしを始める。現在は、同病のパートナーと一緒にグループホームに住んでいる。通院している病院のソーシャルワーカーの紹介でピアセンター(就労継続支援B型事業所)とつながり、ピアサポーターとして病院のイベントへの参加や中学校などで体験談の発表などを行っている。
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5現在の薬
Q.処方されている現在の薬を教えてください

「4週に1回通院しています。薬は、デポ剤のハロマンス50mg(4週に1回の注射)、リーマス200mgを3錠とグッドミンベンザリン。それから下剤のセンノサイド(後発品)を1錠。全部寝る前に1日1回服用。デポ剤は、1990何年ぐらいからだったか……はっきりは分かりませんが、ずっとです。」

ハロマンス(ハロペリドールデカン酸エステル):持効性抗精神病薬
リーマス(炭酸リチウム):気分安定薬
グッドミン(ブロチゾラム):睡眠導入剤
ベンザリン(ニトラゼパム):睡眠導入剤
センノサイド(センノシドA・Bカルシウム塩)後発品:便秘治療剤

Q.薬の副作用はありますか

「副作用はあります。手の震えとかのどの渇き。やはり水分を多く取ってしまいますね。先生から、『水分の取り過ぎには気をつけなさい』と言われます。夜はよく眠れて、夢も見ないです。身体が重だるいところはありますけどね。

それから、メタボリックシンドームになっています。糖尿病ではないですけど、数値が上がったり……。運動のため歩けたら歩きたいのですけど、この頃、億劫(おっくう)になっていて。こちらに来た当初は、夜中に近くの公園まで行って帰ってきて、慣れたら公園の外周を回って歩いたのですが。その時は、20数キロ体重が減って痩せました。」

Q.薬や治療についての情報は誰から入手することが多いですか

「医師から入手することが多いですね。『この薬で合うかどうか』とか……。

いつもの診察は5分ぐらいですけど、10分取っていただく時もあります。やはり、もうちょっと時間を取ってほしいなあと思っています。先生ともっと話したいです。病状のことや薬のことやいろいろなことを。いくらか時間が空いた時に看護師さんにも話していただきたいなと思ったり……。でも患者さんが多いですからね。

先生のことは信頼しています。注意することは注意してくれますし、良いところは良いと言ってくれますから。」

Q.薬を飲んでいても症状が不安定になりますか

「症状が継続して安定するのは難しいです。僕は、薬を飲んでいても悪くなることを経験していますから。

少し悪くなった時は自分で調整できて治るというか元に戻るのです。でも薬を飲めなくなっての大きい崩れはたいへんで、自分では治せないです。その時は、急きょ受診して、先生に新しい薬を増やしてもらったりするのですけど、『もう入院しないといけないな』と思います。だから、急に調子が悪くなって、突然入院する時もあります。そういう時は任意入院ではなくて医療保護入院になります。」

任意入院:精神障害者本人に入院の必要性を説明し、同意を得る入院形態。同意が得られない場合に限り、家族などの同意による「医療保護入院」を検討する。

Q.症状が悪くならないように注意していることは?

「冷静でいれるようにと思いますね。冷静ではない時もありますけどね(笑)。そのためには、『調子を整える』こと。僕は、僕を支えてくれている人との対話を通して調子が良くなるという経験を重ねていますので、人との対話を大切にしています。」

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