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濱 敏弘 さん
(はま・としひろ)
癌研有明病院 薬剤部長
1980年明治薬科大学卒業。国立横浜病院、国立療養所中野病院、国立国際医療センターを経て、2006年より癌研有明病院に勤務。がん専門薬剤師認定試験委員長を務める。
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4抗がん剤の副作用
  ⑦骨髄抑制

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「多くの抗がん剤投与では骨髄抑制が起こります。抗がん剤を投与すると、正常な骨髄の働き(血液の細胞を作る働き)が抑えられ、白血球、血小板、赤血球などが徐々に減少します。投与開始から1〜2週間後に最低値となり、その後また回復してきますので、回復を待って次回の治療が行われます。ひどい場合は投与の延期や薬剤の減量、変更などが必要になる場合があります。

白血球(特に好中球)が減少すると感染が起こりやすくなりますので、投与から1〜2週間後は感染症を予防するために、風邪がはやっているときは人ごみを避け、外出時はマスクをして、帰宅をしたときには手洗いとうがいを励行してください。この時期に発熱したり風邪かなと思ったら『抗生物質を飲んでください』と指示される場合があります。抗生物質は飲み始めたら3日間は症状が軽くなっても続けてください。好中球の減少がひどい場合は、好中球を増やす薬を投与することがあります。

次に血小板が減少すると、出血しやすくなります。鼻血や歯茎から出血、ぶつけたりすると青あざができやすくなります。けがに注意をしてください。ひどい場合は輸血をすることがあります。赤血球が減少すると、貧血様症状を起こします。貧血になるとだるさ、めまい、息苦しさなどを感じることがあります。無理をせずに静養してください。ひどい場合は輸血をすることがあります。」