がんと向き合う

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渡 喜美代 さん
(わたり・きみよ)
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1963年生まれ。両親と兄姉5人の8人家族、自然に囲まれた環境で育つ。上京後24歳で結婚、1男2女に恵まれる。38歳のとき直腸がん(ステージ2)と子宮頸がん(ステージ1a1)が見つかり手術、人工肛門と人工膀胱を造設。放射線性直腸炎、仮性大動脈瘤破裂、腎盂腎炎などを経験するが、がん体験者の本を読んでインドの死生観に触れたことで、病気が怖くなくなる。
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9がん保険

「あと変な話ですけど、たとえば自分が死んだときに、いくらの保険があれば子供たちもとりあえずは生活できると思ったら、なんかすごく安心したというのもありました。微々たるものですけどがん保険に入っていたのです。知り合いが保険のお仕事をしていたので勧められて。病気になる2年ぐらい前でしたかね。

だから、1回目の手術が終わって退院してきてから、『検診』と『保険』を結構友達に勧めました。『お金がないと治療もできない』って思いました。当時はまだ高額医療費はいったん払ってから後で戻るというときだったので、何十万円も一度に払わなきゃいけない、でも払えないと。いちばん最初は、医療費のほかに入院中の電話代とかもろもろ含めてやっぱり200〜300万円かりましたかね。サプリなども飲んだりしていましたので。」

●ひとりで悶々と向き合っていた

「がんを受け止めたというか『平気だよ』と言いながらも、やっぱり無我夢中で手探り状態ではあったんでしょうね、きっと。

だから、自分でも気づかないような心の不安とかを話せる場が当時あればまた違ったのかなと思います。本当にひとりで悶々と病気と向き合っていたので、そういう心の隙間を埋めるという意味でサプリに走ったりしていたのかもしれないです。でも生きたかったんですよ。生きたかったからというのもありますけれども。」