がんと向き合う

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東 千佳子 さん
(あずま・ちかこ)
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1970年滋賀県生まれ。2001年よりオーストラリアに住み、永住権を取得し仕事も順調だった。2010年、腹痛より痛により大腸がん(ステージ4)が見つかる。術後、感情を失い、専門家のカウンセリングを週2回受け、次第に落ち着く。1ヵ月後日本に帰国し、実家から通院。家族、友人、患者会のサポートもあり徐々に自分を取り戻す。2012年にiPad2を購入、日記をつけ始める。6月から文鳥を飼う予定。
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2手術の翌朝

「手術が終わって回復室で目が覚めて、『なんかおかしいな』と思いました。でも痛みがひどかったので、麻酔薬のモルヒネをもらって寝てしまいました。次の日、朝7時ぐらいに目が覚めて、『確実に何かおかしいな』と思いました。

まず周りの反応が全然違うんですよね。回復室の麻酔専門医の対応からしておかしかったし、私が聞いても答えてくれない。それと朝、目が覚めたら手首に血がついているんですよ。プロの方が手術してここに血がついているというのは、なかなかないなと思って、『何か絶対に緊急だったんだ』と予想がついたんです。看護師さんの対応も非常に手厚いんです。相部屋だったんですけど、『ひとり部屋をとってあるから』と言われたんですね。それでもう『確実におかしい』と。

それで朝、私が『トイレに行きたい』と言ったんです。動けないので、看護師さんにしつこく聞いたら、『すぐに主治医を呼ぶから』と言われて、病棟の先生がすぐに来て、その場で説明を受けました。

まず『ストーマにしました』と言われて、『はあ』と思いました。それで自分から『なんなの?』と聞いたんですよ、『絶対おかしい』と思ったから。すると『生検の結果が出るまでははっきり言えないけど、がんの可能性は高い』と言われました。」

●日本にいる兄に携帯で連絡

「2歳年上の兄に、病室から携帯で『まずい』と電話しました。1度目の虫垂の手術は(日本にいる)母に言っていたのですが、“がん”というのがきたときにはもう『兄に言わなきゃいけない』と思って、連絡しました。

はじめは兄も、本当に信じられないですよね。ただ兄は仕事が医療関係なので、大腸がんに関する知識をもっていたんですね。だから『早くにわかれば大腸がんは大丈夫だから』と、励ましてくれました。」

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