がんと向き合う

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溝口隆馬さん
(みぞぐち・りゅうま)
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1954年生まれ、福岡市在住。JR勤務。妻と息子3人の5人家族。44歳のとき数ヵ月間血便が続き、近所の肛門科を受診。すぐに総合病院を紹介されてそこで直腸がんと診断される。直腸切断手術を受けて人工肛門を造設。ステージ(病期)は2。術後は6年間、抗がん剤を服用。現在は定期的に検査を受けている。趣味はシャンソンを聴くこと。
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3術後の抗がん剤治療

「術後2週間ぐらいしてから、点滴で抗がん剤を週に3回ほど入れました。それは退院するまで続けて、退院してからはUFTという経口の抗がん剤を6年間飲みました。(副作用としては)吐き気があり、髪の毛も抜け出したので、その時に今のような髪型にバッサリと切りました。もうこのままだと全部抜けていくのではないかと思い、やはり抜けるということ自体が今までに体験したことがなかったので、ちょっと嫌ではありました。

体力的にはまだ脂の乗っていたときだったので、2ヵ月入院していたわりには、動き出してからは、元に戻るのは結構早かったような気がします。」

●6年間、抗がん剤を服用

「こればかりは(忘れずに)飲みました。薬をこんなにまともに飲んだのは、その薬ぐらいです。先生から『効くか効かないかわからない』と言われていたのですが、飲んでいたほうが役に立つというか、もうそれを信じて飲むより仕様がないので。あとものすごく高い薬で、それを飲まないというのは本当にお金を捨てるような感覚もありましたので。」

●金銭的負担

「抗がん剤はちょっとした薬でも結構高く、それが6年間となると(負担が大きく)、その薬だけではなくて他の治療や検査もしていたので、医療費はかなり厳しいところはありました。JR健康保険のほうで月20500円を超えると高額医療というかたちで戻ってはきたのですが、何せまだがん保険というものに入っていなくて、通常の保険だけだったのでちょっと厳しかったです。」