「家族にはかなり心配してもらいました。子供が小さかったですから、最終的には『子供がどうなるか』とちょっと考えたこともあります。やはり家族の支えというのは非常に大事だと思いました。

実は手術したあとに、もうひとり生まれたのです。でも子供は病気のことはたぶん知らないと思います。上の子供は知っているかもしれませんが、最近（病気だったことについて）話すことはあまりないですね、なぜか。

私も若かったですし、病気になったことを人に言うことはあまりしないというか、極力しないようなスタンスでした。親しい人は知ってはいましたけど、それを話題にするようなことはあまりしたくないところがあり、あまりしなかったでしょうかね。どちらかというと、そういうことがなかったような感じで生活をしていたと思います。もちろん家族とか周りは別ですけど。」

「職場では皆知っていました。でもなんとなく、そのうち忘れちゃうんですよね、周りも。不思議なことに。最初はいたわってくれることもあるのですけど、そのうち皆忘れちゃって・・・という感じでした。それは私にとってはよかった。なにかいろいろ言われるのは好きじゃないですし、普通に生活して、普通にやっていきたかったというのがすごくありました。

そのほうが結果としてよかったと思います。なるべくなら、ひきずらないで普通になるべく生活していきたいなという思いがずっとありましたね。

食事はそれなりにいろいろ偏らないように食べるというのがありますが、でもなかなかどうこうしたからというのは難しいので、そんなに深くは考えていません。それよりも普通の生活を大事にしたいと思っています。」

「（当時）がん保険は入っていないです。がんになるなんて夢にも思っていなかったですからね、まだ若かったし。30代だったでしょ、全然、病気になるなんて夢にも思っていなかったです。保険はいちおう入っていたのですけど、それこそ保険のセールスの人がうるさくてうるさくて、じゃ何か入ろうかと若い頃に入ったものがいちおうあったのです。それで多少出ましたけど、かなりたいしたことのない保険だったので、そんなにはもらってないですね。たぶん手術して5万円とか、そういうレベルだったと思います。」