2入院、そして手術
「即、入院しなければいけないというので、『近所でいちばん近い大きな病院にお願いします』と言って、(現在の病院を)紹介されて行きました。行くと、(内視鏡検査の)写真を見た先生が『もうこれならすぐ入院したほうがいいよ』と、話しているうちに病室を取ってくれました。それで入院して、『これから先どうなるかな』と言うと、『1週間は検査期間で、全部(お腹の)中を干すから』ということで、1週間飲まず食わずで完全に干され(腸の中を空っぽにされ)ました。
1週間経って『では手術しますよ』と言われました。入院していたときは『いや、たいしたことないよ』と思っていました。だけどいざ『やるぞ』と言われたときは、『ん・・・これはもうこの世の見納めになるかな』という気がありました。口では言わないですけど。おかみさん達には、『じゃ行ってくるよ、簡単だよ』なんて言っていましたけど、やはりストレッチャー(移動用簡易ベッド)に乗っかって手術室に行く時は、心の中では怖かったですね。半分は恐怖がありました。
それで、『ここへ来たからには仕様がない。お医者さんにすべて任せて、看護師さんにお願いするしかないのだから』という気持ちでいました。しかし手術室に入って戸がばたんと閉まった瞬間、『お・・・』と思い、見納めだと思って手術室を眺めて『こういうところで手術してくれるのだな』と思いました。『麻酔をかけますよ。1、2、3・・』と言われたときにはもうわからなかったです。それで、気がついたときには手術は終わっていました。
病室に帰ってきたときはやはり嬉しかったですね。明くる日、25センチぐらい腸を切ったと聞きました。S状結腸がんでした。」