1はじめの症状
「体がすごく疲れやすく、だるかったのです。病院に行くと、『年齢的にも更年期障害』と言われて点滴を受けたりしていたのですが、いただいていた薬を飲むと、どうも調子が悪い感じがして一向によくならず、病院を変えてみようと思っているうちに、少し痛みも出てきました。その痛みも筋肉痛というか、最初は『塗り薬くらいで』と先生に言われて、塗り薬をつけていたのですが、だんだん背中から痛みが横のほうに来て、『やっぱり先生、痛いです』と言うと、『レントゲンとCTを撮ってみよう』ということになりました。その結果、『もしかしたら、がんかもわからないね』と言われました。」
●県外の専門病院に行く
「がんの疑いがあるということで、県外の専門病院を紹介していただいて行きました。先生がマスクをしておられたので顔の表情がわからず目だけが見えて、『なんて聞いてこられましたか?』と言われて、私も『いやぁ・・・』と言うと、『ん・・・悪性のがんですね』と言われました。もう『やっぱりか・・・』という感じでした。倒れることもなく、崩れ落ちることもなかったのですが、『やっぱりがんだったんだ・・・』と。今思えば、本当にそのときはすごい衝撃なので、脳自体も衝撃が和らいでくれるような何かが分泌していたのかもしれませんし、興奮状態にあったからなのか、落ち込むところまでは行かなかったというのが正直な気持ちです。
私の場合、肺がんから気管支のほうのリンパ節への転移があり、病期はIIIbということでした。『手術は難しいので抗がん剤でいきましょう』ということになりました。」