統合失調症と向き合う

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藤井康男さん
萱間真美さん
(かやま まみ)
聖路加看護大学精神科看護教授
1986年聖路加看護大学卒業。質的研究方法を用いて、ケア技術やさまざまな状況にあるケア対象者の主観的体験に関する多くの研究に参画している。精神障害者の退院促進および地域ケアを支えるサービス提供のあり方、精神科訪問看護の実態と効果なども研究。
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4訪問看護の対象
Q.精神科訪問看護の対象となる方は?

「制度化されたものを使うためには、『訪問看護指示書』が必要になります。『訪問看護指示書』は、精神科訪問看護の場合は、精神科の主治医が書くもの。それから、一般の訪問看護、指定訪問看護の場合には、精神科に限らず、医師が書くものとなっていますので、なんらかの形で主治医にご相談をなさって、訪問型のケアが必要だということを判断されて、指示書が出され、利用契約を結んで、それで利用するという手順になります。」

Q.訪問看護を受けることのできない場合もあるのですか

「例えば主治医が、通常の外来とかデイケアとか、そちらのほうがむしろこの人には相応しいであろうというような判断をされたような場合。それから提供側の都合でもあるのですけれども、やっぱりとても広い地域で、例えば、北海道の話などは私達よく聞くんですけれども、片道6時間もかかってしまうようなところで、それでも訪問に行ってる人達いますけれども、恒常的な週1回の訪問というようなことは、ちょっと地域的には限定がかかるので、そういう場合は、入院していらした病院からの訪問看護は無理な場合があるのですが、近くに“訪問看護ステーション”がだいたいありますので、そういったところに主治医からご依頼をいただければ、近くの訪問看護ステーションから訪問するということも可能なのですが、そういった地理的な条件で、限定がある人もいます。

それから、訪問看護の場合、利用契約を結ぶのですけれども、その際にやっぱりお互いが快適で安全でいられるということを想定して契約をします。例えば、こういったお部屋の中で1対1で向かい合うわけですので、自分の行動のコントロールが難しいというような状態ですとか、依存症で、その依存の物質をまだ非常にとってしまって、ちょっと人とのコミュ二ケーションが難しくなるといったような状態では、それは(訪問看護の)利用はあまり適切ではないというふうに判断される場合もあると思います。」

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