統合失調症と向き合う

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榎田伸也さん
榎田伸也さん
(えのきだ・しんや)
35歳、男性。22歳のときに発病し、2000年、26歳のときから2年間、入院を体験する。現在は2週間に1回通院。地域活動支援センター「ふらっと」を活用しながら、詩の創作他さまざまな活動に意欲的に取り組んでいる。両親、妹との4人家族。
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6診断〜退院
●病名を聞いたときの気持ち

「退院するちょっと前に、統合失調症の診断が下って…。はじめてそれを聞いたときに、まだその当時はぎりぎり(病名が)精神分裂病の時代だったんですけど、とにかく厭〜(やー)でしたね。なんか自分にレッテルを貼られている、烙印(らくいん)を押されているような感じで、強い抵抗感もありましたし、とっても辛かった。また、これで人生終わりかなって思うほど、深い失望感にも陥りました。

ただ、その当時お世話になっていたケースワーカーの方が、障害者年金とか手帳を持つことについて根気よく説得してくださったんですね。そのお陰で、ようやく精神障害者としての制度を活用するように至った。で、今も同じ病院に通ってはいるんですが、やはりあのとき必要な手続きを踏んでおいて良かったなあとしみじみ思います。そうですね、退院する2、3か月前ですかね、そういう手続きがいろいろあったのは。なので、退院してからは、ほとんど落ち着いていたかなと思います。(障害者手帳は)2級です。」

●退院後の生活

「退院したあとは、体力が相当落ちていたのもあって、しばらくは家でゆっくりしていました。両親からは、『早く何かしなさい』とか、急かされることもなかったので、焦ることもなく、のんびりと過ごすことができました。

2000年から2002年まで入院して、2002年の5月に退院しているので、通院歴は7年になりますね。基本的に2週間に1回、通っています。」

●処方薬

「(薬剤は)やっぱり症状がひどいときは、多かったんですけど、落ち着いてくると、少しずつ減っていった。入院中にどれぐらい減らされたかどうかはわからないんですけど…、退院してから症状が良くなるにつれて、『じゃ、これをちょっと減らしてみようか』とか、『この薬とこれを変えてみよう』とか、主治医との信頼関係もあったので、微調整が利いたんですね。薬のそういう匙加減がうまくできたので、今は、そうですね、ちょうど良い加減というか、多くもなく少なくもなく、やっぱこれぐらいでちょうど良いなあと保たれている感じですね。」

定期薬を朝と夕2回、睡眠導入剤を夜に2回、頓服薬を1日4錠分を限度として、服用。
[定期薬]
 ・ ル−ラン(塩酸ペロスピロン水和物)(1回1錠):非定型抗精神病薬
 ・ アシノン(ニザチジン)(1回1錠)150mg:消化性潰瘍用剤
 ・ デプロメール(フルボキサミン マレイン酸塩)(1回4錠):抗うつ薬
 ・ デパス(エチゾラム)(1回1錠)0.5mg:抗不安薬
[眠剤]
 ・ イソミタール(アモバルビタール)(1回0.1g):催眠鎮静剤
 ・ ブロムワレリル尿素「ヒシヤマ」(ブロムイソバレリルカルバミド)(1回0.3g):催眠鎮静剤
 ・ ブロムワレリル尿素「ヒシヤマ」(1回0.5g)
[頓服薬]
 ・ デパス(エチゾラム)(1回1錠)1mg:抗不安薬

●薬の副作用

「副作用として、喉が渇くとか、気のせいかもしれないけど免疫機能がちょっと落ちているのかなあって…、まあ風邪を引きやすいとかね。あと汗が出やすいとか、眠気が来たり、そういうこと以外は、別に支障を感じてはいないです。」

●現在の症状

「症状ですか、今は、先ほど言ったいろんな症状は消失しています。ただ、やっぱり、いろんなちょっとしたきっかけとかね、対人関係、家族関係のことでちょっと暴言を吐いてしまったり、自暴自棄になってしまったりということはあります。10数年前の、ほんとひどかった頃から見ると、うんと回復しているかなと思います。」

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