「ハローワークに通っていて、ハローワークでたまたま求人を見つけて、この時間ぐらいだったら今の体力ならできるかなと思って応募したんですけども。去年(2010年)の12月頃ですね。全然、どうやるか、まったく分からなかったので、取りあえず履歴書を書いて、自分がどういうところを苦手にしているかとか、そういうことをただ言っていただけですけど、まあ、運良く受かったという感じですね。
そうですね、やっぱりできないことを始めたので、自分がここまでできるんだという実感が多いですね。ここまで、できないことでも結構できるようになるものだなあと思いましたね。考えられないですね。保護室に入った時は、そうですね、差がすごくありますね。
でも、遅いとかそういうことは考えませんでしたね。とにかく、病気が完治するとかそういうことも考えていなかったので、つき合っていくものだと思っていたので、悪い時期も良い時期もあるんだなということを考えながらやっていたので、(働けるようになるまでが)長いと はあまり感じませんでしたね。」
「(支援)サービスというよりは、企業側に、どれだけ分かってもらえるかというほうが大事だと思いますね。実際、就職活動はしていたので、たとえば合同の説明会とかそういう所へ行きますけども、実際書かれている内容を見ると、これではちょっと働けないなあという条件が、すごく多いですね。1日8時間で残業ありとか、そういうのをすぐにやるというのは、どういうものなのかなと考えますね。」
「そうですね。もうオープンにして…。じゃないと、デイケアに通っていた時でも、やっぱり隠して、クローズにして働いていた方とかは、結局は、調子を崩してまた入院ということが、もう何人も何人も見ているので、それでやっていったら、結局同じことになってしまうので、やはりオープンにして、なおかつ理解のある所に就職しないと、たぶん無理だろうというふうには思っていましたので、オープンにして(就活を)やっていました。
(今も)しています。していますというか、もう受けて、一応、今は結果待ちです。1人採用なのですけども、今、僕かもう1人の人のどちらかという状態なんですけどね。
ハードルを高くするというよりは、引き出しを多くしたいという気持ちですね。一般事務ですけども、1日7時間で休憩が1時間ありまして、という感じですね。でも残業はないので、今の状態だったらできるのではないかなと思えたので。」
「そうですね、僕が見ていて感じるのは、どうしても、病気になる時期が結構若い、一番社会性が身につく、身につけられる時期に病気になりやすいので、結局社会性があまり身につかないままご病気になってしまう方が、結構多くいるので、そこはすごく難しいのではないのかなと思いますね。社会性がなかなか身についていないと、やっぱり、一般の企業ではやっていけませんよね。そこでの問題が一番多いのかなと…。ですから、やっぱりそこらへんをどう身につけさせていくのかというのが、今後の課題だと思います。」
「そうですね。まず、やってみることですよね。不安がどうしても多いので、一歩進めない部分がたぶん多い…。その一歩を踏み出す時に、たぶんそこはどういうやり方でもいいのですけども、周りの人でもいいのですけども、ちょっと自分でやってみようかなというふうに一歩踏み出してみると、意外に、『ああ、自分にはこんなことができるんだ』というところが見つかると思うので。
あんまりステレオタイプ的に、『仕事はこうだ』というふうに決めつけないで、一歩、なんでもいいからやってみて、それで、『あ、ここはできるんだ』という部分を自分の中できちんと見つけて、それで、『あ、ここはできないんだ』というところも、逆に見つけられて、じゃ、そこは苦手だから、こっちのうまくできる部分を活用して何かできるようにしていけばいいのではないかなと思いますね。
(当事者からの質問で多いのは)やっぱり、実際に働けるかどうかが多いですね。そこで、僕が提案していたのは、『(障害)年金をもらえている人であれば、ある程度、そんな高い給与をかからない(にならない)、例えばバイトとかでもいいので、そういうことをやりながらやっていけばいいのではないですかね』ということは言っているんですけども。」
障害年金:病気やけがなどによって、一定程度の障害の状態になった人に対して支給される年金のことで、障害の程度に応じて支払われる金額が異なる。障害年金には、「障害基礎年金(1級、2級)」と「障 害厚生年金(1級〜3級)」がある。生まれながらの先天性の障害や知的障害は障害基礎年金の受給対象となる。