統合失調症と向き合う

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サチコさん
サチコさん
(さちこ)
1963年(昭和38年)生まれ、48歳(収録時)。会社の営業部に勤めていた29歳の時に精神科を受診。薬を飲み続けることの必要性が分からなかったことで服薬を中断。症状が悪化し、再度、病院を受診する。何度か入院を経験する。現在は、社会福祉法人の社会資源を活用しつつ、ピアサポーターとしても活動している。母親と2人暮らし。
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2精神科受診の経緯
Q.どのような症状が出たのでしょうか

「症状としましては、私、会社の営業部で働いていたのですけれども、先輩に失恋したことがたぶんきっかけだと思うのですけれども、電話のやり取りがありますよね、営業部なので。その電話の会話の中に、私の言動が組み込まれているように感じ始めたんですね。それがまず発症ということだったと思われるのですけれども。

受診に至るまでですが、母が、どうも(私の)顔つきが暗くなってきて、変だなあと思っていたら、『人が私のことを言っている』と、ぽろっと私が言ったらしいんです。で、『これはもう精神科に連れて行かなきゃ』と思ったらしく…。その時、母の頭には、精神科というとK大学のお医者様ということが浮かんだらしくて、『一緒に行ってくれない?お願いだから病院に行って』と言われて。で、私は、自分のことをおかしいなんてまったく思っていなかったのですが、『K病院だったらちょっと有名だし、行ってみてもいいかなぁ』みたいな、軽いノリで行ったのがきっかけなんです。

(母は)精神科はKがいいよという話は、前から聞いてはいたらしいのですけれども。」

Q.精神科を受診していかがでしたか

「まず、うちの母は精神科ということはまったく口に出さなかったんですね。『とにかく病院に行きましょ』と言われて行ったのですけれども。そこで、(医師から)『会社を1か月休みなさい』と言われて、“神経衰弱”だと言われたのです。で、1か月間薬を飲んで会社を休めば治るものだと、母も私も思っていたわけなんですね。1か月経った時にまた病院に来なさいとも言われないし…。

そういうわけだったのですが、あとで障害年金の受給をする時に、最初のカルテが必要になって、カルテを見たかなにかしたら、そこに “精神分裂病”(統合失調症)と書かれていたのですが、先生はそれを母に、もう父はいなかったのですけれども、母にも私にも、精神分裂病だということは伏せて、神経衰弱だというふうにおっしゃったんですよね。」

障害年金:病気やけがなどによって、一定程度の障害の状態になった人に対して支給される年金のことで、障害の程度に応じて支払われる金額が異なる。障害年金には、「障害基礎年金(1級、2級)」と「障害厚生年金(1級〜3級)がある。生まれながらの先天性の障害や知的障害は障害基礎年金の受給対象となる。

Q.その時の治療薬は憶えていますか

「全然分からないですね。発症した最初の最初ですので、あまり記憶がないのですけれども、とくに(薬が)効いたというような記憶はないですねえ。」

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