「K病院に行きまして、(医師から)『1か月会社を休みなさい』と言われて休んで、それからはもうK病院には行っていないわけですよ。そうすると、結局薬も飲んでいないわけですから、どんどん悪化していきますよね。それで、結局、会社のほうも無断欠勤という形になってしまって、家にずっといるのですが、昼夜逆転になってしまったんですね。
2年ぐらい続いたですか。2年も経っていないかな、1年ぐらいですかね。」
「母が、知り合いの精神科病院の院長先生を紹介していただいたんですね、人に。それで、電話だけのやり取りだったんですけれども、院長先生と話して、『昼夜逆転で』と言ったら、それはもう精神分裂病(統合失調症)ですと、そこで言われて、『早く入院させなさい』と言われたそうです。
それで結局、病院探しですよね。母が1人で病院を探してくれたのですけども、経済的な面や…、それから、重度の方が入っていらっしゃるところとか、そういうところしか見つけられなくて、私が入られるような病院がなかなかなかったんですね。そしたら、ある方が『保健所に相談してみたら?』と言ってくださって、で、保健所に相談したら、ちょうど精神科の先生が、『じゃあ僕のところにくれば』というお話になって、そこに入院することになったんです。
30歳の時ですね。入院期間は、閉鎖病棟に3か月、そのあと開放病棟に2か月、合計5か月ですか。
(治療は)もちろん服薬もそうなんですけれども、あとは、心理カウンセラーの方をつけていただいて。主治医が男性だったものですから、なんかあまり自分のことを私が語らなかったみたいなので、女性の心理カウンセラーをつけてくださったんですけれども。」
「私は、もともとの症状が妄想なのですけれども、閉鎖病棟にいる時は、妄想はやっぱり閉鎖病棟の中ではあまりなくならなかったんですね。ところが、開放病棟に移ったら、なくなってきて、良くなってきたんですね。(5か月後に)もう完全に妄想はなくなって、退院です。」
「それが、退院後も一応服薬をしていたのですけれども、やはり服薬していると、服薬のせいで良くなっているのに、そうじゃなくて、『私は、病気なんかじゃないんだ』と思ってしまって、薬なんか飲まなくたっていいんだという方向に考えてしまって、服薬をやめてしまったんですね。それで、また再入院という形になってしまったのですが。(退院して)2年後ですね。
期間ですか、飲んでいなかった。どれぐらいでしょうね、半年ぐらいですかね。その時は、妄想だけでしたね。テレビで私のことを言っているとか、道を歩いている人が私のことを言っているとか、そういう妄想ですね。
やっぱり親が、『これはまずい』と思って、どうしても私が薬を飲もうとしなかったものですから、朝の野菜ジュースに薬を混ぜて、私は知らなかったのですが、親が飲ませてくれていたのですけれども、やはり1日1回の服薬では、妄想はなくならなかったんですね。なので、結局、強制入院になったのですけれども。
(入院期間は)1回目と同じで、(閉鎖病棟に)3か月の(開放病棟に)2か月ですね。」
強制入院:強制入院には、大きく分けて、措置入院と医療保護入院がある。 措置入院は、すぐに入院させなければ、精神障害のために自身を傷つけ、または他人を害するおそれがあると精神保健指定医2名が判断した場合、都道府県知事または政令指定都市市長の命令により、入院させることができる制度。
医療保護入院は、精神障害者で、入院を要すると精神保健指定医によって診断されたが、病状のため本人の同意が得られない場合、保護者同意により、精神科病院の管理者は患者を精神科病院に入院させることができる制度。
「急にカッとなるんですね。母が手料理を並べてくれたテーブルを、私は『なんでこんな病気になったの、あなたのせいでしょ』と母を責めて、ばーっとひっくり返したりとか…。人に対してはそれをしないのですけども、物に対してあたるということがありましたね。」