統合失調症と向き合う

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サチコさん
サチコさん
(さちこ)
1963年(昭和38年)生まれ、48歳(収録時)。会社の営業部に勤めていた29歳の時に精神科を受診。薬を飲み続けることの必要性が分からなかったことで服薬を中断。症状が悪化し、再度、病院を受診する。何度か入院を経験する。現在は、社会福祉法人の社会資源を活用しつつ、ピアサポーターとしても活動している。母親と2人暮らし。
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4社会福祉サービスについて
Q.作業所に行くことになったきっかけを教えてください

「それが(医師から)『服薬をしなさい』ということは、私の記憶の中では言われたことはないのですけれども、2回目の退院の時に、『作業所に行ってほしいんだよね』と言われて、それが非常に印象に残っているのですが…。病院のケースワーカーさんが、『保健所のほうに連絡してください』というふうにおっしゃったんですね。

すぐだったかどうだったか忘れましたが、そんなに期間は空いていないと思います。母と2人で保健所のほうに行ったか、そこら辺はちょっと曖昧なんですけれども、もしかしたら私1人で行ったかもしれないですね。」

作業所:「共同作業所」、「地域作業所」、「小規模作業所」と呼ばれ、主に精神疾患の患者が社会復帰を目指し、活動するところ。作業所では、簡単な内職作業や軽作業(弁当・菓子・手芸品などを作る)をしたり、自分達が作った商品の販売を行うことで、自立に役立つノウハウを身につけていく。賃金を受け取ることで、働くことへの充実感が得られるメリットもある。

Q.保健所へ行ってからどうしましたか

「まず、保健所の中のデイケアに通ってくださいと言われて。私が暮らしていた市では、2つしか作業所がなかったんですね。1つは家からとっても近かったんです。それで母がやっぱり近所の人達の目があるから、そこはやめてくれということで、もう1つの作業所に通うことになったのですけれども、それはもうボロボロのアパートで、ひどかったんです。

内職の仕事だったんですね。もうほんとに単純作業で、ひたすら箱を折るという作業。で、皆さんとっても物静かな方ばっかりで、男性が多くて女性がほとんどいなかったので、ほんとうに通うのが辛かったんですけど、先生に『作業所に行ってほしいんだよね』と言われたので、一所懸命行っていましたね。(通ったのは)そうですね、2年ぐらいですかねぇ。」

デイケア:地域の保健所や精神保健福祉センター、医療機関などで、個人別の評価と働きかけ、およびレクリエーションやSST(社会生活技能訓練)などのグループワークを組み合わせることで、社会復帰の足がかりとする取り組み。

Q.作業所に2年通ったあとはどうしましたか

「引っ越しをしたんです。こちらのほうに引っ越してきて、今度は、病院も遠くなるから近い病院を紹介してあげますよと言われて、今度は、その近い病院がやっている作業所に行こうとしたんですが、そこでもやはり、『デイケアにまず通ってください』と言われて、デイケアに通い始めたんですね。(そこは)結構長かったですね、3年ぐらいいましたかね。

ちょっと人間関係でトラブルもあったせいもあるのですけれども、もうそろそろ作業所というか、本来は作業所に行くつもりでいたじゃないですか。それがデイケアにまず通ってくださいと言われたのですが、3年経っても何の働きかけもなかったので、これはもう自分から動くしかないと思って、病院のやっている作業所のほうに紹介してくれないかとお願いしたら、『じゃ、まず見学に行ってください』と言われて見学に行ったんですけど、今いっぱいだから入れませんと言われて。じゃ、順番待ちしていればいいんですか、ご連絡いただけるんですかと言ったら、いやそれもやっていませんと言われて、区のほうで探したほうがいいんじゃないですかと言われたんですね。で、区の保健所に相談して、今の、この施設に入ったということなのですが。12年ぐらい前ですかね。」

Q.新たに見学した作業所の印象はいかがでしたか

「まず活気が全然違っていて…。最初は作業所を2か所紹介されたんですね。1か所はお菓子を作る作業所で、もう1か所はお弁当を作る作業所だったのです。2つとも同じ法人ですけれども。

まず、お菓子を作る作業所と聞いただけで、『私、それにします』という感じだったのですが、保健師さんが、一応両方見学に行きましょうということになって、お菓子のほうを見に行ったら、ちょうど作業中だったのですけれども、しーんとしているんですよね。で、今度、お弁当のほうの作業中に行ったら、ものすごくにぎやかで活気があって、『私こっちかも』と思って、最終的にはお弁当のほうに変えたんです。あとで聞いた話だと、お菓子というのは計量を正確にやらなければいけないので、作業中しゃべっていられないんだということのようですけれども。

今は、お弁当(作り)以外の部分の活動のほうが割と比重を占めてしまっているので、お弁当(作り)のほうがなかなか行かれなかったりとか、新しく変わったことについていけなかったりとかということはあるのですけれども。(お弁当作りは週に)一応3日です。」

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