「最初はうつ症状で、引きこもっている状態が続いていたのです。それが19歳の時です。その時に母の友人が、“こころの健康センター”という所を教えてくれて、そこを受診したのがきっかけでした。母も、(そういうことに)詳しい友人に相談してくれて、その(私の)状態を言うと、その友人の方は、『相当深刻じゃないか』と言ってくれて、こころの健康センターを紹介してくれたのですけれど。
そこで、いったん“うつ”が治ったように思ったのです、通い始めて。で、今度は突然ハイになって、そこから統合失調症と診断されて、今、通っている病院に入院(を)半年間したのです。それはもうすごく激しい症状で、自分でも病識がないぐらい自分を失っていて…、親に強制的に(病院に)連れて行かれた状態だったのです。
(“うつ”から)悪化したのが短期間だったので、翌年の二十歳に入院しました。その病院はたぶん母が調べたのだと思うのですけど、父も一緒に、両親に連れて行かれて診察を受けたところ、その時の診断が“統合失調症”だったのです。」
「兆候というか、高校からの斡旋で行った職場になじまなくて、それが直接のきっかけで“うつ”になったのですけれど。
確かに学生時代は、あまり団体行動が得意ではなかったような気がします。それが、やっぱり就職したことによって、団体行動を突きつけられたというか、体験しなければいけなくなって。で、やっぱりなじめないと。自分はもう、なんて言うか、すべて否定された気分になって、 “うつ”ですから、マイナスマイナスに考えていって、なんて言うか、その職場で働けないのだったら、もう自分は生きていてもしょうがないんだとか…、死にたい気分でしたね、毎日。
で、どこにも行かないし、髪の毛が伸びてきても美容院にも行けない状態でした。で、美容院にやっと行って、髪の毛を切ってもらって帰ってきた時に、母に、『可愛くなったね』と言われても、普通だったら嬉しいはずなのですが、全然嬉しくなくて、その時は。
その(髪を)切ってもらった時に、やっぱりうつ状態だったので、あまりお風呂に入れていなかったんですね。『こんな汚い私やのに…』と思って切ってもらったのですけど、別に普通に切ってもらえた時はすごく嬉しかったのを憶えています。“うつ”だったのですけれど、今思うと、ずっとふさぎ込んでいる感情ばかりでもなかったんだなというのは、今、しゃべっていて思い起こしたような感じです。」