統合失調症と向き合う

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Y.F.さん
Y.F.さん
1945年(昭和20年)生まれ、69歳(収録時)。2週間に1度通院している。両親亡きあとは一人暮らしをしており、現在は、病院の売店の仕事やピアサポート活動、当事者の会を運営するなど、充実した毎日を送っている。短期間であるが禅宗のお寺で修行した経験があり、現在のこころの支えとなっている。
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4仏門に入る
Q.27歳の時にお寺に入った理由を教えてください

「やっぱり仲間いうんか、病気の仲間が悲惨な目に遭うているから、これをなんとかせなあかんと思うて。『人のためになれ』というのは、小さい時から聞いていたから、小学校の先生がよう言うていたから、人のためにならなあかんと思うて、ほんで仏門に入りました。

それで入った経過というのが、お寺に手紙を出しました。本を読んで本に出てきて、お寺の本が良かったから。山田無文老師(説話集)という本です。その本を読んで感激してすぐ手紙を出して、『僕は病気やけど、坊主になってみんなの仲間のためにやりたい、人のためになりたい』と…。ほんで感激されて、『ほんな来い』ということになり、行きました。

(お寺に)行ったらね、外(国)人の方もおるしね、直日(じきじつ:座禅の指導役)さんいう人もおるしね、面白かったです。面白かったけど、なんか緊張しますね。全然畑違いのところに行ったからね、戸惑いました。そやけど、あそこで国際交流ができたというか、それは嬉しかったですね。イタリア人とか、それからアメリカ人とか、来ていましたね。」

Q.お寺での1日の流れは?

「いやあ、朝早かったですね。4時頃だったかな、起きて、掃除したりね。禅寺はやっぱり掃除がポイントですね。玄関の表(に)出て、冬やのに掃除してね。それがまたきれいになるんですわ。集団で掃除するんですわ。門の前の家のところまで掃除したりしました。

ほんで昼間ご飯に呼ばれて…。みんな、朝早いから、参禅(さんぜん)などに行きましたわ。先生のところ、部屋に入って禅問答するんですわ。僕は行かんかったけどね。ほんで、そのうち作務(さむ)という労働(を)したりね。植林の木を切ったり…、そんなことをしていました。」

Q.お寺での生活はどれぐらい続いたのですか

「いやぁ、恥ずかしい、1か月しか続かなかった。寒かったしね。ほんで(お寺の)先輩の皆さん(から)は、『お前なんやぁ、いくじなし』と言われるし。男として恥ずかしかったです。やっぱりあそこ(禅寺)は男(を)磨くところですね(笑い)。」

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