「きっかけは、図書館で、『家庭画報』という婦人の画報を見とったら出てきて…、『嘘つかない、逃げない、ばかにしない』が出てきて、『あ、これいいなあ』と思うて、それをいうただけです。それは、あとで考えたら知育と言うか、昔から言われるでしょ、知育、体育、徳育と言って、知育に当てはまるなと思うて、ぴたっといけるなと思うて、それを実行しました。ほんならやっぱり今まで信頼関係ができなかったのも嘘をついたからやいうの(が)あって、嘘をつかないならうまいこといける。ほんな、そんなんが分かりまして嬉しいです。
それが安定する大元と、お袋が金(を)残してくれた。金(を)残してくれたから、生活できるようになって、僕は、生活保護(を)受ける一歩手前で生活しています。そしてやれるようになりました。金、物はお袋のお陰、精神は、本のお陰というか、それを実践しただけですね。
今から考えてみたら、薬を飲んだりするから頭がカオス(混沌)状態です。カオス状態やから、なんや嘘か分からん状態がする。それが最初に芽生えたんが、嘘をつかない(と)、主張することです。嘘(を)つかない(と)主張し出したら皆さん、反応してくれるようになって。その次に覚えたのが、相手の立場(を)ばかにしないというのか、相手の立場を考えるということです。相手の立場を考えたらやっぱり向こうも安心する、こっちも安心する、winwin(ウインウイン)の関係になるというか…。
それから考えたのが、次は仕事です。実行として、仕事しました。それが良かった。その時にお前にできるというので、ピアサポートと言って仲間の世話をと言われて、その裏付けとして人のためにやりだしたらものすごく元気になった。やっぱり、人のためにやったら元気をもらえるわ。そやから皆さんも人のためにやってください。絶対ええ。元気になる方法です。」
「病院の敷地内の売店『亀やん』(と)いうところで、月に10回ぐらい働いています。(1日)2時間ぐらいやけどね。
それとピアサポート。ピアサポート(と)いうのは、病院の中で皆さん、患者さんの前で話をする。退院後はこうやったでえ(とか)、そんな話をしています。面白いですよ。
で、この頃は愚痴を聞く会と言って、病院の中で1室設けてもろうて仲間の愚痴を聞くようにしています。やっぱりそれは相手の立場を考える方法になるというのか、自分が言うんやなしに聞く立場やから相手の立場を考えるから、これも喜んでくれると思います。それが今年(2014年)からやりだしたんです。最近です。」
「その前に、仲間の『ゆうゆう会』というのを作ったんです。仲間同士わいわい言うて、健康な話と暮らしの話(を)するというか、そんな話をやっています。それで、(それを)やりだして、『お前、ピアサポートやれや』と病院の職員に言われて、退院促進の一環としてやり出したんです。
(ゆうゆう会は)月1回ステップという支援センターの1室を借りてやっています。フルメンバーは5、6人です。それで『ゆうゆう会便り』というのを出して。お茶もペットボトルのお茶を一人ずつ渡して、2時間ほど話をするんです。
ほんでその仲間で土地を市から借りて、花を栽培しています。町の人に喜んでもらえるように。
その前にね、町のたばこの吸い殻(を)拾うというのをずっとやっているんです、僕、一人で。勝手にやっておったんです。何もすることがないからなんか人のためにせなあかんという教え(が)あるから、せなあかん(と)思うて、何もできひんからそれだけするようになった(笑)。たばこの吸い殻を拾って、町を清潔にする。その上に、今度は花壇をやって。おしゃれですわ、町をおしゃれにして、その上にこの地区に喜んでもらうというか。まず清潔があっておしゃれして、ほんでなんとなく楽しいなあという喜びもある。そういう、3段階ですわ(笑)。」
「別に、仲間いうように寄り添うということもあんまりやっていないし。『おいおい、俺やお前や』という感じでやっていますね。ただそれだけですねえ。で、ちょこちょこ、『娑婆はええでえ、退院したらどうや』とか、そんな話はしますけどね。ほんで、また町(に)、一緒に行こうぜえ、スーパーに行って買い物しようぜ、と言うたら、うーん行こうか、とか言うてくれる。そういう時は嬉しいし、また行ったりもしますよね。ほんで仲間も家(に)連れてきて風呂に入れたりします。そんなことします。まあ、親しくすることやね。」
「やっぱりね、僕、セクハラいうんか、それに気をつけています。職員とも、ま、看護婦(師)さんべっぴんさん多いから、つい好きなことを言うてしもうて怒られるいうんか。そやからね、相手の立場(を)考えたら自分の言いたいこと(を)言ったらあきまへん。
『お前』と言うて、それで正味のこと(を)言う(と)、それは社会もこたえる、女性もね。そやからそれをちょっと相手の立場(を)考えて言うたら、感動すると思いますわ。反対に。」