統合失調症と向き合う

体験者の声 医療者・支援者の声 家族の声 私たちの活動紹介 イベント おしらせ
堤 敏行さん
堤 敏行さん
(つつみ としゆき)
1962年(昭和37年)生まれの55歳(収録時)。26歳で特別養護老人ホームの介護職として働いていた時に発症。入院体験は2回。現在はデイケアなどに通いながら、無理の無い範囲で介護のボランティア(傾聴、オセロゲームの相手など)を行っている。母親と二人暮らし。
movieImage
<< 1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  >>
3仕事について
Q.発病後、仕事はどうされましたか

「しばらく通院しながら、老人ホームに勤めていたのですけど、やはり病気になって体力も続かないし、あとで正気に戻って自分の行動がなんかこう、自分を責めるというか、『なんであんなことしてしまったんだろう』という気になって。結局、その年の5月に退職したというか。

老人ホームに勤める前は、国鉄にいたのですよ。国鉄が民営化になる時に人員整理みたいことがあって、そういうことがなんて言うか、蓄積していたのかな。でも、結局、自分はJRに残れたのですけど、もう、なんか(気持ちが)途切れてしまって、辞めてしまった。

その時に、どうせやるのだったら、人のためになる仕事をしたいといって老人ホームみたいものを探していて。で、JRを辞めてから1年ぐらい経って、老人ホームに勤めたのですかね。

ちょうど新設したのですね、老人ホームが。で、『職員募集』と市報で募集していたので、応募して、試験を受けて。あの頃は、(介護職の)資格はいらなかったので、適性検査みたいなものを取れば。あと面接と。

そのあとから聞いた話なのですけど、精神科の先生によると、JRの時にもうノイローゼになっていたのではないかと。確かに今考えると普通ではなかったですよね、あの時はもう。自殺した人もいたし、知っている人で、国鉄から、民営化になる時に。だってほんとうにもう『辞めませんか』と。残る確率は、まだ誰にもないみたいな感じで。で、自分はなんかのんきに構えていたのですけど。

で、JRになってからまた新しい人間関係ができてきて、転勤してきた上司の人によく思われなかったというか。やはりノイローゼだったですかね。もう辞めることしか考えていなかったですから。」

<< 1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  >>