統合失調症と向き合う

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堤 敏行さん
堤 敏行さん
(つつみ としゆき)
1962年(昭和37年)生まれの55歳(収録時)。26歳で特別養護老人ホームの介護職として働いていた時に発症。入院体験は2回。現在はデイケアなどに通いながら、無理の無い範囲で介護のボランティア(傾聴、オセロゲームの相手など)を行っている。母親と二人暮らし。
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7症状の安定
Q.今は症状が安定していると思いますか

「そうですね。精神的に、死にたいとかそういう風に思わないから、その分まあ、いいほうにいっているのではないかと思って。20代・30代の時はどうやって死のうとか。それこそ、援護寮にいた時ですけど、線路を歩いたことがあるのですよ。夜、援護寮を出て、近くの線路を歩いて。でも電車来なかったから……。そのぐらい、死のことばかり思っていたけど、それから見れば、精神的にはもう……。

そうですね、40代ぐらいからはその死ということはあまり考えなくなったかな。なぜなんだろう。結構楽しく過ごすことができたのかな、前は。それはやはりまあ、買物依存みたいなもので、DVDとか本とか見ていたり。

読んでいる本もやはり仏教関係の本が多いから、死というのは、あまり良くないというのがあったので。(宗教は)もううやむやになったというか、発病してから。」

Q.症状が安定した理由を自分なりに分析すると?

「その時々に知り合った人ですかね。病院、3箇所目か今の病院で。その時その時で、いろんな人と出会ったというか。

一番はじめは入院した時に、お互い、患者同士で、閉鎖病棟で話し合うというか、『こういうところはこうだと、こうだから』と教えてもらったりして。で、ある人に言わせると、私は、すぐ退院できると。知っている人は、同じ病人でも見れば分かると言われて、そういう情報交換とか……。

入院すると特にそうですね。職員の人とは入院するとちょっと位置関係が違ってくるのか、当時は、管理されているという感じなのかな、職員の人には入院だと。」

Q.体調が悪化しないように気をつけていることはありますか

「やはり内科、糖尿のほうが心配な時があったり……。また、糖尿のほうで入院するのがかえって面倒かなと思って。歳を取って、膝を痛めて、前みたいに運動療法といっても歩くことができないのですよね。膝が痛いから、長く歩くことができなくなったというか。だから、ほんとうは、そこまでいかない運動でもやって、体重を減らすほうがいいのですけど。

うちのクリニックのデイケアは、体育館とか自前に持っていないので、月曜日の午後から近くの体育館を借りてやっているのですよ。バレーとか卓球とか、若い人はサッカーをやっているけど、そこまでは俺はついて行けない、やはりね。

だからクリニックのデイケアに通うのに自転車で通えばいいと言われたのですけど、10分か12分ぐらいで行けるのですけど、なかなかデイケア自体行けていないから。」

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