「18歳の時に、周りの人が怖くなる症状が出ました。あと、夜、眠れなくなる睡眠障害で昼夜逆転の生活になりました。
とても長い経過で症状が出てきていまして……。一番はじめは、おそらくもっとさかのぼって、中学1年生、13歳の時です。その時は、夏休み前に睡眠のサイクルが崩れていきました。夏休み中、当時部活をしていたのですが、部活の夏休みの活動にだんだん参加できなくなって、2学期が始まった、ほぼスタートと同時に不登校になっています。
あと中学校には全く登校せずに、義務教育でしたので(中学を)卒業したことになっているのですが、家に社会的引きこもりと言いますか、家に閉じこもって、テレビゲームをずっとしているというような状態が続きました。
高校も出ています。高校は、中学で不登校だった生徒をたくさん受け入れている高校に進学しました。そこでは寮生活をして、親元を離れていました。初めにお話した症状が出た時、人が怖くなったり昼夜逆転に近い状態になったのは、寮生活をしている高校時代ですね。」
「18歳の時が初めての受診です。小児精神科を受診しました。受診に至ったきっかけというのは、本当に、お話した(こと)だけではなくて、他にもいろんな症状が出て、辛くて。とても消耗していましたから、藁(わら)にもすがるという気持ちで、『最後はここしかないのかな』という気持ちで、母親に付き添われて受診をしています。
担当していた小児精神科医が母親の古い友人で、僕の具合が悪くなって、家の中で不穏になっていた時期に、母が、その小児精神科医に相談をしました。ちょうど、自宅の近くの病院で勤務医をしていましたので、『私の元に来てください』というふうに言われまして、受診に至っています。
だいぶ悩んでいました。何ていうか、ずっと精神科にかかるというのは、ちょっと避けたかったのですね。実際、小児精神科にかかった直前の何か月間か、徐々に『もう、かかるべきなんじゃないか』というふうに考え始めました。母親が会話の中で触れた精神科クリニック等に行こうかなぁと思っていたりしたのですけど、実際に受診に結びついたのは、その小児精神科医が初めてでした。」
「覚悟を決めて行ったのですけど、とても丁寧に話を聞いてもらいました。当然僕の症状を見て薬が出るのですけど、主治医は、とにかく我慢して薬を飲んでくれと。必ず良くなるから。正確な言葉はちょっと思い出せないのですけど、希望を捨てないで、根気よく治療をしてくれというふうに力説されました。
あと僕のことを見て……、ま、僕自身が自分に自信がなくて、同世代の若者を見たりするとすごい恐怖を感じたり気後れしたりする、そういう症状があるということを、その時に話したのですけど、何か僕のいいところを見つけて、それを僕に知らせてくれているような、『なかなかしっかりしてるじゃないか』とかそういうような感じのことを言ってくださったりして、とても安心できたのを憶えています。」
「二十歳の時に、ま、二十歳を過ぎたということで、精神科のほうに(診療)科目を移るほうがいいだろうというお話が出るまで、その同じ小児精神科医にかかっています。
(そのあと主治医は)変わっていますね。病院は、どちらも、比較的大きな病院で、最初は総合病院の中の小児精神科と神経科にかかって。で、その神経科の中で、一度、主治医が、担当が替わりました。
その替わった担当が主治医だった時に、僕の状況を見ていて、『そろそろデイケアの利用がいいんじゃないか』というふうに主治医から言われて。ちょうどその主治医が、別の精神科単科病院でも勤務していて、その単科病院には大規模なデイケアがあって、とても評判のいいところだったので、『そこに移るのであれば紹介状書を書いて紹介するから』と言われて、その病院に転院しました。その病院になってからは、二度、主治医が替わっていますね。」