「努力した者が、必ずしも成功するとは限らない。しかし、成功した者は皆、努力しています。このメッセージを読んでくれた当事者の方々、またご家族の方々の中には『障害を背負ったことで人生の半分を損してしまった……』と、そんな風に思っている方もいるのではないでしょうか。

たしかに障害を背負ったことは事実だし、バリバリ働いていた頃のような過去には勝てなければ、昔の思い出とも闘えません。でも未来を創るのは他の誰でもない自分だし、生きたいように生きるのも、なりたい自分になるのも、自分自身なのです。

もし、今、家に引き込もっている当事者や、『仕事は見つからない、やりたいけれど自信がない』、そんな人がいたら、僕の人生を変えたような病院や外来リハビリテーションなどを探してください。

僕もデイケアを探し求めて、何か所も体験に行きましたが、知らない世界の人間関係に飛び込むには、なかなか難しいところがあります。しかし、あなたに合った医療機関や支援者がきっと見つかるはずです。

皆さんは人間の価値はどのようにしてはかれると思いますか。40時間働いて給料を稼ぐことですか？たくさんの友人を持つことですか？弁護士や国会議員になる名誉ですか？自分が亡くなった時に涙を流してくれる人の数ですか？僕にはまだその答えが見つかりません……。

でも、空の星の輝きに比べたら、人間の一生なんてほんの一瞬です。30代半ばの僕なら結婚して、マイホームを建てて、子供を授かっているビジョンを描いていたかもしれません。でも僕は今、最高のパートナーに恵まれて本当に幸せです!!

パートナーにめぐり逢えたことは、人生の宝物を見つけたということだから、たったひとりの女性を一生涯愛し続けること、守り抜くことが、自分の人生の使命です。そんな使命を持って生きることに生き甲斐を感じています。そして、パートナーと人生を振り返った時に、ともに人生を歩んできて最高に幸せだったね、と堂々と言えるような生き様を見せていきたいと思います。

僕は、夢は見るものではなく、叶えるものだと思います。18歳で見た自動車業界で働く夢は現実になり、その後、障がい者にはなってしまったけれど、次に目指した社会福祉の分野で活躍することや結婚もできました。もちろん僕は家族や友達に恵まれているのもわかります。しかし、それは僕が自分自身で引き寄せた、まるで美しい川の流れのような自然な運命的なものです。

まだ、これからどうなるかわからない、混沌（こんとん）とした世界の中でも、私には明るい光しか見えません。暗闇を照らす一筋の太陽の光を掴めるか、掴めないか！それは、あなたの行動次第だと思います。

子供を授かること、妻のご両親から心の底から結婚を祝福してもらうこと……、僕の夢は果てしなく続きます。そして、今、僕が望むいちばんの夢は、世界が１つになること。世界が平和でありますように。」