「当院では、だいたい手術の2日前には入院していただきます。お腹(腸)の中をきれいにするために手術の前日には食事をいったん中止して、あとは下剤を飲んでお腹の中をきれいにします。」
「入院により生活環境が多少は変わるので、過ごしづらいこともあるかも知れませんが、特にこれをしてください、あれをしていけませんということは、大腸がんだからといってあるわけではありません。ただ必ず禁煙はしていただいています。施設内に喫煙所はないので、もちろん吸うことはできないのですが、禁煙だけは心がけてもらっています。それは、手術後の肺合併症の予防のためです。タバコを吸われている方は、手術で全身麻酔をかけたあと、痰が出やすくなり、そうすると肺炎を起こしやすいのです。ですから体によくないものは避けていただくということです。」
「手術中は人工呼吸になりますので、麻酔から目が覚めたあと自分の呼吸に戻すのにあたって、スムーズに呼吸ができるように肺機能を高めてもらうことが必要になってきます。それで、手術前から呼吸の練習をしていただいています。
(当院に入院された方は)日課として、器具を使って呼吸機能を高める練習をしています。普通の深呼吸は、深呼吸しているようで実はきちんと肺や胸が膨らんでいなかったりする場合があります。呼吸訓練器はきちんと目に見えて酸素が入っていることがわかる目印があり、患者さんが目で見て、『きちんと吸えている、吐けている』というのがわかるのです。
お勧めしているのが、1日朝昼晩と寝る前に、吸って吐く深呼吸の練習を10〜20回ぐらい繰り返してもらうという形で指導をさせてもらっています。」
「みなさん、手術前は緊張しています。もしその緊張している理由が、『こういうことがわからなくて不安なのだ』ということがわかり、こちらに伝えていただければ、それにはきちんと対応して極力緊張を和らげるように看護師一同も努力していますので、遠慮なく質問をしていただければと思います。」